2010-01-01から1年間の記事一覧

事実認定に学ぶ「ストーリーを組み立てる力」

荘司(2010)は、法律家がストーリーを組み立てる力を「法的仮説力」と呼び、「事実認定」のプロセスによってその特徴を示している。事実認定とは、主に裁判官が証拠などに基づき、過去にあった事実の中で、争いのある部分をできるだけ事実に近いストーリーと…

考える道筋としての「問い」

苅谷(2002)は、常識的な思考にとらわれない知的複眼思考において「問いの立て方と展開の仕方」の重要性を説く。まず、なんらかの「疑問」を感じたならば、それを「問い」に変えていくことが、深く考えることにつながる。問いが立てられれば、その答を探し出…

知的複眼思考法

苅谷(2002)は、ありきたりの常識や紋切り型の考え方にとらわれずずに物事を考える「知的複眼思考法」を提唱している。「常識」にとらわれないためには、まずは何よりも、「ステレオタイプ」や「神話」から抜け出して、それを相対する視点を持つことが重要で…

英語らしい英語の書き方

日本人にとって、英語らしい英語を書くのは難しい、ピーターセン(1988)は、子供のときに日本製品の説明書に、以下のように書かれてあるのを見てびっくりしたという。 Drag out an antenna, pinching it between one's finger. おそらく「アンテナをつまんで…

松浦弥太郎のキャリア論

松浦(2010)は、仕事を考えるときに「自分は何をしたいのか」ではなく「自分を社会でどう役立てるか」を考え、最終的にはその仕事を通じて人々を幸せにしていくことを目標とすべきだという。 そして「いい仕事をするために遊ぶ」ことが大切だと松浦は言う。ま…

42歳からの挑戦

田中(2010)は「中途半端な大人になるな」という帯つきの本書で、人生のターニングポイントを超えても「守り」に入らず、「攻め続ける」人生の面白さを説いている。子供っぽいと言われようと、自分らしく何でも挑戦するのが格好いいという。牙を抜かれた自分…

42歳からのキャリア術

田中(2010)は、キャリアの本当の意味でのブラッシュアップは、42歳から始まるとしたうえで、ミドル・キャリアに有用ないくつかのキャリア術を紹介している。 まず、人材の価値は需要と供給のバランスで決まるので、一見無関係に思えるスキルや知識や経験を…

仕事をテンプレート化する技術

信太(2010)は、何事もテンプレート化すれば、短時間で正確にできるようになり、仕事もプライベートも充実する、つまり思い通りの人生を送ることができるという。テンプレートとは「すぐ利用できるように設定済みのパターン」という意味である。テンプレート…

散歩こそもっとも贅沢な趣味

田中(2010)は、散歩こそ人生そのものだという。時間を気にせずに、ただ、ぶらぶらと自由に気の向くままに歩き回るなんて、これ以上の贅沢があるだろうかという。 散歩や旅の楽しさは「自由に、気ままに」が原則だろうという。それは人生そのものでもあると。…

アブダクションによる創造的活動

一橋大学編(2001)では、創造的技術者の議論を中心に、人々が創造の発端でどのような論理を用いているのか考察している。例えば、創造の発端では、その時代の、その社会、その組織の人たちには「馬鹿げた」「論理的に理解しがたい」話として提案者の思いの中…

創造性エンジアリング

バーチとクレッグ(2010)は、創造性を生み出すテクニックとして、創造のプロセスを仕組み化する方法を提唱している。つまり、解決したい問題の状況把握から、創造的解決策のアイデア発想・実行までの一連の流れを「仕組み化」するのであり、彼らはこれを「創…

working papers

CEO fairness orientation and organizational competitiveness: An integrative framework. Career development of college students through part-time work: The role of LMX and taking charge. Theoretical implications from the case of performance-…

手段が目的化するとき

人生や仕事において大きな目標があるとしよう。その目標に近づくには、ステップを踏んで、その「手段」としての活動をコツコツとやっていく必要がある。ときに、あるステップに到達するための手段としての活動は困難を極め、まずはそのステップを完了する目…

日本的雇用システムの特徴

本田(2009)は、日本的雇用の特徴として、浜口(2009)の次の指摘を挙げている。まず、日本の労働市場では、正社員と非正社員の世界が、相対立する原理によって成り立っているという。正社員は、担当する職務=ジョブの範囲が明確でなく、企業という組織に所属…

まずは量をこなしてみる

北尾(2009)は、ヘーゲルの「量質転化」の概念を紹介している。これは、ある物質の量が一定数以上に達すると、その物質の性質自体が変わってしまうことを意味しているが、このような量と質の関係は事業を考える上でも重要だと指摘する。量を増やせば質が変わ…

マネーの公理・人生の公理

ギュンター(2005)は、投機の知恵を記した「マネーの公理」において、人生はすべてギャンブルであり、人生を生きる賢明な方法は自らをあえてリスクにさらすことだと説く。そして、配慮と思考を持って賭けて勝つための法則もしくは哲学として、12のルールから…

英文ライティングのカギは経済性

遠田・岩渕(2007)は、英語では「簡潔」を好むため、ライティングでは言葉の経済性(economy of words)が重視されると説く。日本語では、「○○社は、ビジネスの成長と繁栄を通じて社会の発展に寄与し・・・」ように、類似する意味の曖昧かつ抽象的な言葉を連ね…

頭の中の「引き出し」を作ろう

内田(2008, 2010)は、自分を印象づけたり相手を説得するために「会話の中で使う話題」をしまっておく引き出しを、「リーダーシップ」「パラダイムシフト」「ビジネスモデル」のように20ほど頭の中に持っていると言う。その20の引き出しの中にさらに20ず…

人間の器を大きくする方法

福田(2009)は、器量を大きくする方法として、次の5つを挙げている。 修行をする:自分自身を厳しく鍛える 山っ気を持つ:でたらめでもスケールのでかいことを言う ゆっくり進む:自分のペースでゆったり生きることで自分なりの風格をつける 何も持たない:…

論点思考力を高める

仕事では「正しい問題」を解決する必要がある。内田(2010)は、解くべき問題、すなわち「論点」を正しく設定することで、考えるべきことを限定し、考えなくてもよいその他多くを捨てることができるという。 そのためには、問題を与えられたら、それをまず疑っ…

英語らしい英語の書き方

遠田・岩渕(2007)は、英語を書くときに工夫すべき指針として Clear「明瞭」、Concrete「具体的」、Confident「自信に満ちている」の3Cを挙げ、わかりやすく簡潔な文章を書くことを心がけるべきだという。英語のセンテンスでは、「主語」は骨格であり「動詞…

微分積分読解術で数学好きに

趣味で将棋や囲碁をやる場合、必ずしも強くなくてもいい。プロとは違い、楽しむことを目的として「下手の横好き」でやってもなんら問題はない。数学も同じだと小島(2004)は示唆する。数学者のような能力は必要ない。人類にとって最古の文化・教養である数学…

情景描写で心模様を描く

近藤(2010)によれば、文章は描写文と説明文、そして会話文と地の文がそれぞれの役割をいかんなく発揮し、たがいに補いあえば、その表現力は映像より勝るのではないかという。情景描写は、説明しにくい心模様を、イメージの作用とともに伝えることで、読み手…

「物」が語りはじめる文章を書く

近藤(2010)は、優れた文章を書く方法の1つとして「事物をして語らしむ」という方法を紹介している。例えば、思ったことを書きたいとする。しかし「悲しいと思う」と書くよりも、「悲しいと思う」ことを具体的に描写すれば、あえてそう書かなくても、よい文…

不確実な世の中で成功する確率論的思考

田渕(2009)は、世界は人々が感じるよりもはるかに不確実性に満ちており、不確実性は世の中の本質であるとしたうえで、不確実性の世界において成功をもたらす「確率論的思考」を提唱している。 まず、不確実性は、何者にも予測できない。したがって、不確実性…

人間関係を「俯瞰」する

加藤(2007)は、人脈のメリットとして「人間関係を俯瞰できること」を挙げる。また、人脈は「会いたい人」「ほしい情報」を得るための、地図にもなってくれると言う。 よりよい人生を歩むためには「自分が何になりたいのか。何を手に入れたいのか」を明らかに…

先延ばししがちな仕事は作業時間を決める

仕事を効果的にこなしていく上で必要なのは、終わりから計算することであるとよく言われる。つまり、締切りとそのときに必要なアウトプットをイメージし、そこから逆算することによって、毎日行うべき作業量を決めるのである。そうすれば、決められた作業量…

朝型人間が生産的な理由

知的生産研究会(2007)によると、朝の1時間は夜の3時間に値するという理由は、2つある。1つは、朝のほうが、身心ともにリフレッシュされており、脳の働きも良いということである。したがって、爽快な気分で集中して仕事にとりかかれるのである。もう1つ…

「書く力」は現代の錬金術

午堂(2010)は、書く力は、経験や情報という目に見えない素材をベースに価値を生み出す、現代の錬金術だと言う。書く力の元は、情報(知識・経験)のインプットと、それらを練る、再構成する、表現するというアウトプットだと言う。この2つをあわせて「知的…

やることを減らし続けて成果をあげる

バボーダ(2009)は、やることそのものを減らすことによって、シンプルに徹すれば、成果も上がると言う。ルールは単純で、(1)大切なことを見極め、(2)それ以外のものを取り除く、というものである。もっともインパクトのあること(仕事など)のみに活動を制限し…