英文ライティングのカギは経済性

遠田・岩渕(2007)は、英語では「簡潔」を好むため、ライティングでは言葉の経済性(economy of words)が重視されると説く。日本語では、「○○社は、ビジネスの成長と繁栄を通じて社会の発展に寄与し・・・」ように、類似する意味の曖昧かつ抽象的な言葉を連ねて雰囲気を出すというレトリックが用いられることが多いが、英語では「無駄のない言葉遣い」が重視されるため、「同じ内容を伝えられるならば3語より2語、2語より1語で伝えるほうが良い」という考え方が徹底している。日本の文化は繰り返しを好むが、英語の文化は冗長性を嫌うのである。


例えば「小さくてかわいい子犬たちが、ボールにじゃれて遊んでいます」という文は、"Puppies are playing a ball."というように、少ない単語を丁寧に選んで、描写力を高めるのがよいという。抽象的な言葉ではなく、できるだけ具体的な言葉を選ぶのがコツである。


したがって、英文ライティングでは、「同じことを2度言わない」「重ね言葉を用いない」「省ける言葉は省く」「繰り返される単語は省略する」などの方法をとるのがよいと言う。


その他、英語ではポジティブな言葉を使うようにして、できるだけ"not"や"don't"などの否定形は使わない。例えば、I am not satisfied. だったら、I am dissatisfied. に変えてみる。I am not married. は、I am single. のようにnotを使わない別の言葉を探す。そして、日本語では「〜と思います」のような表現でも、英語では自信を持って言い切ることが大切だと言う。