2014-01-01から1年間の記事一覧
吉沢(2014)は、ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授を初めとする論者の視点として、これからの時代は既存の職業が消滅し、次々と新たな職業が誕生する、一生涯、1つの仕事、1つの専門性で過ごすことができる人は皆無になる、自らの職業人…
私たちは、慌ただしい現代社会で「いつかどこか」のために日々をやり過ごしていると古東(2011)は指摘し、私達にとってもっとも大切なのは「いまこの瞬間を生きること」すなわち「<今ここ>の充溢をかみしめる、<今ここ>に佇む」ことだという。これは幸福…
帝国とは何か。柄谷(2014)は、社会構成体を「交換様式」から見るという視点に基づき、帝国というのは多数の共同体=国家からなると同時に、それらを超える原理を持っているという。そして、その帝国の原理とは、多数の部族や国家を、服従と保護という「交換…
青山(2012)は、「いかなる知識や信念の体系も、周縁に沿ってのみ経験と接する人工の構築物である」というクワインの全体論(ホーリズム)を紹介している。つまり、科学全体は、「境界条件が経験である力の場」のようなものであり、「周縁部での経験との衝突…
青山(2012)は、分析哲学の独自性として、言語の働きの解明を通じてさまざまな問題に答えるものであるとする。ここでいう「言語」には、人間が思考するための論理も含まれている。そもそも私たちは、何を論じる際にも言語に依存している。何を観察する際にも…
佐藤(2014)は、マルクスの資本論を「人生を楽にするために」読み、資本論の内在的論理をつかむという目的の講座の中で、国家の本質は「暴力装置を有することによって社会から収奪する存在」だとする視点を紹介している。資本論では、労働者階級、資本家階級…
社会心理学とは何か。この問いに対し、小坂井(2013)は、「現代社会の人間学(人類学)」として社会心理学を発展すべきというセルジュ・モスコヴィッシの言葉を援用する。「人間とは何か、社会はどう機能するのか」を探求するのが、社会心理学だというわけで…
ヤング(1988)は、アイデアを生み出すことには、その「原理」と「方法」があるという。この2つを理解し、技術を磨けば、効果的にアイデアをつくりだす能力は高められるというわけである。 ヤングによれば、アイデアを生み出す原理は2つある。1つは「アイデ…
川上(2014)は、「強い文章力=相手の心を動かす文章を書く能力」だとした上で、相手を動かす文章をどう書けばよいのかについてのアドバイスを行っている。川上によれば、相手を動かす文章は「何を伝えるか」と「どう伝えるか」の2つの要素から成り立つ。ま…
岡田(2001)は、歴史とは「人間の住む世界を、時間と空間の両方の軸に沿って、それも一個人が直接体験できる範囲を超えた尺度で、把握し、解釈し、理解し、説明し、叙述する営み」だとする。そして、世界の変化に法則性があるわけでも、一定の方向に向かって…
竹田(2002)は、哲学とは「真理」をつかむための思考法ではなく、誰もが納得できる「普遍的」な世界理解のありかたを「作り出す」開かれた思考の方法だと説明する。絶対的な「真理」などないが、どんな人間にとっても共通了解できる「普遍性」を少しずつ追い…
竹田(2002)は、近代哲学と諸科学が、近代以来の「認識問題」の本質を解明できなかったとし、現代の学問が陥っている事態を理解するために「事実学」と「本質学」という概念をおくとよいとするフッサールの考え方を紹介し、本質学とは何かについての解説を試…
カントによる超越論的哲学は、コペルニクス的転回を行ったとされるが、それはどういうことだろうか。貫(2004)によれば、カントの超越論的哲学は、諸物や宇宙の存在を前提とした上でどうやって認識するかをさぐるのではなく、およそ諸物や宇宙などの存在者が…
クリティカル・シンキング(批判思考)のバックグラウンドとなるのが「哲学」である。そして、伊勢田(2005)は、哲学の勉強は思考スキルを身につけると指摘する。ここでいうクリティカル(批判)とは、否定的な評価という意味ではなく「ある意見を鵜呑みにせ…
歴史学とは何か。小田中(2004)によれば、歴史学は認識と解釈という2つの作業から成り立っている。認識とは、史実を明らかにすることである。過去に本当にあったことを明らかにするということである。解釈とは、認識した史実に意味を与え、ほかの史実と関連さ…
伊丹・宮永(2014)は、技術開発と並ぶ技術経営(MOT)の重要なテーマとして「コンセプト創造」を挙げる。コンセプトは、製品はおろか企業の命運すら決めてしまう。「いいコンセプトを創ることこそ重要」「コンセプト創造からすべてが始まる」というのである。 …
松波(2013)は、世界は情報社会と成熟社会を迎えたため、目に見えるかたちで様々な変化が生じていると指摘する。こうした時代を過去の「大聖堂の時代」と対比して「バザーの時代」と呼ぶ。大聖堂の時代は、綿密な計画を立ててから設計図を作り、時間をかけて…
ベイズの定理は、「条件付き確率」を含む確率の基本的な公式を組み合わせることによって簡単に得られるものであるにもかかわらず、実践的にも非常に役立つものとして脚光を浴びている。しかし、この単純な定理が、私達にとててゃ非常に分かりにくいと言われ…
石原(2009)は「国語は道徳教育だ」という。そして、道徳とは「パラダイム」である。つまり、この社会に「道徳として絶対的に正しい」というものはなく、その時代に「常識」だとされていること、すなわちその時代のパラダイムが「正しい」ということになる。…
竹内(2006)は、数学ではなく算数の問題を解くことが、柔軟な思考(しなやかなアタマ)をつくることを示唆する。数学が、どちらかというとマニュアル的にひとつの方法だけで問題を解くことに陥りがちなのに対して、算数は同じ問題をいろいろな側面から解くこ…
佐藤(2011)は、外交官として北方領土交渉の第一線で活躍した実体験に基づいた「交渉術」を展開している。まず、そもそも論として、広義の交渉術には3つあるという。1つ目は、交渉を行ってもこちら側が損することが明確な場合の「交渉をしないための交渉術」…
吉田・赤(2013)によれば、長らく数学はパスカルのいう「論証的方法」にしたがっているがゆえに厳密な学問であると信じられていた。論証的方法とは、自明のものを除くすべての「言葉」を「定義」し、また自明でないすべての「命題」を「証明」しつくすという…
歴史は一回性の連続であり、自然科学でいうような法則性はないと考えられるが、それでも、この世の中もしくは社会の仕組みを理解するうえで役に立つ法則性のようなものを見いだせる場合があるだろう。後藤(2011, 2012)は、世界史の解説を通して、そのような…
吉田・赤(2013)によれば、パスカルは人を説得するのに2つの方法があり、1つ目は理詰めで論破すること、2つ目は人の気に入るような言い方をすることだといった。そして第一の方法については3つの規則があるという。1)用語の明確な定義、2)明晰な公理…
シェイ(2010)は、仕事をするにせよ何をするにせよ、幸せに焦点をあてることの重要性を説く。例えば、「あなたの人生のゴールは何ですか」という問いに答えてみる。その答えが何であろうと、それに重ねるかたちで、さらに「なぜ?」と質問してみる。さらに「…
古森(2013)は、経営者には「マッスル・インテリジェンス」が求められるという。なぜ多くのリーダーが、スピードやダイナミズムを見誤ってしまうのか、なぜ思い切って勝負することに二の足を踏んでしまうのかは、マッスル・インテリジェンスが足りないからで…