英語らしい英語の書き方

日本人にとって、英語らしい英語を書くのは難しい、ピーターセン(1988)は、子供のときに日本製品の説明書に、以下のように書かれてあるのを見てびっくりしたという。

Drag out an antenna, pinching it between one's finger.

おそらく「アンテナをつまんで引き出してください」ということを説明したかったのだろうが、アメリカ人から見ると「あるアンテナを人の指一本でつまみながら、引きずりだして下さい」という、意味不明の説明になるという。


では、もっとも英語らしい書き方とはどんなものか。ピーターセンによれば、それは、

Pull out the antenna.

である。本当に言いたかったことがたった4語で表現できる。かつ、より英語らしくなった。


英語の場合、可能な限り短い文で言い切ろうとするのがよいようである。上記の例で言えば、"Pull out"に「指でつまんで引き出す」というイメージが含まれている。わざわざそう説明しなくても、Pull outと言われれば、それしか想像できないということだ。このように、言いたいことをこまごまと修飾しないで端的に言い切れる言葉を見つけるのが、英語らしい英語を書く上で重要なことなのだろう。