2015-01-01から1年間の記事一覧
安部(2002)は、経営史という文脈ではあるが、歴史が重要である理由を以下のように説明している。まず、現在だけを見つめていては、未来を知ることはできない。未来を知るためには、現在を知っているだけでは不十分で、過去をよく知り、分析しなければならな…
ティール(2014)は、未来の進歩は次のどちらかだという。1つは、成功例をコピーして1からnに向かう水平的進歩もしくは拡張的進歩。そしてもう1つは、ゼロから1を生み出す垂直的進歩である。垂直的進歩を一言で表すと「テクノロジー」になるとティールはい…
佐宗(2015)は、デザイナーから学ぶ創造力すなわち知的生産術として「デザイン思考」を紹介している。デザイン思考の前提には、デザイン(構想)、エンジニアリング(実現)、ビジネス(商売)の3つの要素が協働することでイノベーションを生み出すことがで…
玉田(2015)は、破壊的イノベーションおよびイノベーションのジレンマのメカニズムや事例を解説するとともに、どのようにすればイノベーションを起こしていくことが可能かについての解説を行っている。玉田によれば、イノベーションに対するアプローチは、大…
石田(2015)は、しゃべるのが苦手であったり、内向的な性格であったりしても仕事で成果を出すことができるコミュニケーション・テクニックを提唱している。その中の1つが、「マイナス+ダブル・プラス法」である。これは、言いにくいこと(マイナスなこと)…
竹内(2013)は、イスラム教の本質は、宗教共同体をつくることであると論じる。イスラム教ではアラーが唯一絶対の神であり、すべての創造主であって、森羅万象を支配し、かつ最後の審判の判定者である。よって、イスラム教徒は、すべてをアラーに委ねている。…
茂木(2015)によると、地政学(ジオポリティクス)とは、国家間の対立を地理的条件から説明するものである。すなわち、国家と国家が国益をかけて衝突するとき、地理的条件がどのように影響するかを論じるのである。例えば、国境を接していれば、領土紛争や移…
宮崎(2015)は、世界史の大筋は簡単であればあるほどよいという発想のもとで、世界史を、1)モンゴル帝国の時代に至るひとつながりのユーラシアの世界史、2)ユーラシアの「陸の世界史」と、地球規模の「海の世界史」が時期的に並行する時代、3)イギリス…
川勝(2012)は、日本は、アジアからの自立すなわち「脱亜」によって文明を切り開き、ヨーロッパも、「脱亜」によって独自の文明を発展させたということを示唆する。ヨーロッパも日本も、アジアから視れば辺境の地であった。この意味からすると、アジアもしく…
松崎(2015)は、「好きになられる能力」こそが、成功の真の要因だと指摘する。それは何故かというと、私たちはいくら実力があっても、専門分野で優れていても、人から選ばれることがなければ運のない人生を歩むことになるからである。自分をサポートしてくれ…
企業のグローバル化にあわせてグローバル人材の必要性が唱えられている。この点に関して北尾(2015)は、グローバル化の時代だからこそ日本を理解しなくてはならないという。日本人としての特質をしっかりと理解し、日本人とはどういう民族なのかを十分に理解…
山本(2013)は、「歴史的思考力」は、人生を豊かにする教養となり、歴史を学ぶ最大の効用であると論じる。ここでいう歴史的思考力とは、現代に起こる事象を孤立したものとしてではなく、「歴史的な視野の中で考えていく」ということである。すなわち、現在、…
勝間(2012)は、「わたしの顔を見たときに名前を挙げなくとも勝間和代だとわかる人の割合(非助成認知率)を世の中のおおむね30%くらいにまで上げてみよう」という決意のもと、2008年に「有名人になる」という「ビジネス」を始めたという。その経験をふま…
ちきりん(2015)は、私たちの身近な分野でどんどんと市場化が進んでいることを指摘し、これを「社会の市場化」と命名している。就職活動にしても、昔の学校推薦のような相対取引から、ネットの普及による市場取引へと移行し、婚活さえもが市場化しているとい…
古東(2002)は、ハイデガーの著作を題材にしながら、「存在を味わう」ことの重要性を論じている。私たちはいま、こうして「生きて在る。」しかし、死ねば永遠の虚無。この世に二度と戻れない。この地球地上から消滅する。このように、いずれ消え去る私たちは…
見田(2006)は、「近代」と「現代」の関係性を次のように説明する。まず、「近代」とは、今から振りかえってみるならば、地球という有限な空間上での、人間というよく適合した動物種による「大爆発」の局面だったといえると指摘する。S字曲線とかロジスティ…
見田(2006)は、社会学を「関係としての人間の学」としている。「社会」というものの本体は「人間」であるが、例えば「愛」とか「闘争」は、人と人との間もしくは「関係」にある。もっと正確に言うと、人間そのものが「関係」なのだと見田は言うのである。何…
冷戦終結以降、新自由主義もしくは市場中心主義・自由競争主義が世界を席巻し、経済のグローバル化が進展した。長期雇用や年功賃金体系を生み出した日本的経営も批判の的となり、グローバルな価格競争によって、労働力も含めた生産要素も市場化した。その結…
出口(2012)は、人生の鍵となるのは、「論理力」と「鋭い感性」であるという。論理力とは、物事の筋道を「理解し、説明する」力と言い換えることもできる。感性は、言葉の微妙・微細な使い方による、その人独自の表現である。出口によれば、論理力も感性も、…
成毛(2012)は、近年の学生の就活について、学生は苦労しており、「卒論書くヒマないぞ」「就活期間長すぎ」「大学は就職予備校じゃない」といった学生の訴えはもっともだと同意し、就活対策を練るためのヒントを提示している。 まず、どのような会社を選ぶか…
佐伯(1993)は、「資本主義」を「人間の欲望のフロンティアを開拓し拡張する自己運動」だと捉える。つまり、資本主義は、人間が生存を維持するのに必要なもの以上のモノを生みだしてしまうという意味での「過剰」を、大規模な浪費(=消費社会)を作り出し、…
私たちの目の前に世界は、世界そのものではない。古田(2014)は、人間の心にとって自分の外にある物体は、視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚といった5つの感覚器によって切り取られたイメージの集合体だという、バークリの考え方を紹介している。異なる感覚器か…
ゴールデンバーグとボイド(2014)は、創造性を高めるために「既存の枠をはみ出せ」と訴えかける「アウトサイドボックス思考法」は、あまりに多すぎるアイデアが無秩序を生み、革新的な思考を妨げると指摘する。逆に、閉じた世界もしくは「制約条件(インサイ…
現代文とは、なんらかの意味において、現代の必要に答えた表現のことだと高田(2009)は定義する。この定義は「(なんらかの意味において)現代の必要に答えた」という部分と「表現である」という部分に分けられる。まず、「現代の必要に答える」という部分に…
塩川(2008)は、「エスニシティ」「民族」「国民」「ネイション」「ナショナリズム」といった言葉が、明確な定義なしに使われて多くの混乱をもたらしていると指摘する。ただし、これらの言葉は非常に異なった事柄でありながら、なにがしか共通性や関連性を持…
小林・大澤(2014)では、今の時代は資本主義がグローバル化した成熟期を過ぎ、成熟がほぼ停滞し、あちこちに内破的・危機的な亀裂が生じていることが指摘されている。「○○ミクス」のようなものでそれを糊塗しようとするのだが、その陰で根源的矛盾がどんどん…
清水(2014)は、経営における企画、組織、事業計画などはすべて「プログラミング」の応用として捉えることができるという。ここでいう「プログラミング」は、一言でいえば「自分以外のものを、思い通りに動かす方法」のことだと説明している。企画者の意図ど…
水野(2011)は、20世紀後半から21世紀にかけての世界経済の趨勢を「利子率革命」と「反利子率革命」で説明しようとする。20世紀の利子率革命とは、1974年のピークを境に先進国の資本利潤率およびそれと同等と考えられる国債利回り(工場の耐用年数…
水野(2014)によれば、資本主義は「中心」と「周辺」から構成され、「周辺」つまり、いわゆるフロンティアを広げることによって「中心」が利潤率を高め、資本の自己増殖を推進していくシステムである。つまり、富やマネーを「周辺」から蒐集し「中心」に集中…
ウィリアムス(2014)は、今の時代、「考えられないことを考えつく」「他の誰もしていないことをする方法を見つけ出す」ことが決定的に重要だという。あるいは、今ほど現状を打破するのにふさわしいときはないと。誰も想定していない、興奮するようなソリュー…