2017-01-01から1年間の記事一覧

人生に最も役立つ「高校国語教科書」

出口(2015)は、高校の国語教科書は名作の宝庫であると同時に、その深い内容を高校生が理解するのは至難の業であるという。よって、高校国語教科書は大人がやり直してこそ真に役立つのだと主張する。そもそも、国語ほど実際に役立つものはないと出口はいう。…

上場企業の意味と責任

村上(2017)は、上場企業の意味と責任について、日本では、そもそも上場とは何か、企業は何のために上場するのか、正確に理解している人が少ないように思うと述べている。村上によれば、株式を上場することは、英語で"Going Public"(非上場化は"Going Privat…

ざっくりとした西洋思想入門

齋藤(2011)は、2500年の西洋思想史をざっくりとと3つの山脈でひとつかみする解説を試みている。そもそも、思想や哲学とは何かについて、齋藤は「困難を乗り越えるための薬」であり「悩みや疑問への処方箋」だという。なぜならば、西洋思想が目指した目標は…

真の自由を獲得するための勉強法

千葉(2017)は、フランス現代思想や分析哲学など複数の現代思想をベースにした「勉強論」を展開している。とりわけ前半は、言語論をベースに、私たちが受けている束縛を打ち破り、今より多くの可能性を考え、実行に移せるような新しい自分になるための勉強法…

文章から学ぶ「思考の形態学」

花村(2016)は、文章読本という形ではあるが、様々な例文によって文章を思考パターンとして抽出して紹介することにより、思考のトレーニングの材料を提供しようとしている。文章読本は10章からなり、それぞれ、異なるパターンの思考形態を紹介するような形式…

中国史から学ぶ中国大陸の地政学

片山(2016)は、外側からはなかなかうかがい知ることのできない中国を理解するために、中国史が役立つことを指摘している。まず、中国を理解する上で重要なのが、中国には北の南の2つの中心があるということである。片山によれば、4世紀以前は、中国史の主…

ビジネスモデルのニューパラダイム

長沼(2015)は、2025年のビジネスモデルと称して、次の社会の輪郭、次世代のビジネスモデル、ロボット時代の哲学的共通基盤などについて論じている。長沼によれば、今、経済は新たパラダイムの入り口にある。資本主義は格差を広げつつけ、ビジネスは短期決戦…

心とはいったい何か

「心」とはいったい何かについて根源的に考えようとするのが、心の哲学である。例えば、将来、ロボットに心が宿るのか。これに対する何らかの答えを得ることは、そもそも心とは何かについて根源的に考えることなしには可能ではない。この点について、金杉(20…

日本史Aと世界史Aをマスターして「超したたか」に生きる

佐藤(2015)は「新明解国語辞典(三省堂)」の「したたか」の意味を次のように紹介している。「逆境に立たされてもくじけることなく、いかなる手段や奇計と思われる策を弄してでも危機や困難を乗り越えよう(非難や世間の思惑などを気にせず、自己の利益や立…

「こころ」はどのように進化してきたのか

「こころ」は人間だけが持っているのか。それとも動物も持っているのか。将来「こころ」を持つロボットが登場するのか。このように「こころ」とは何かに関する疑問は尽きることがない。ダーウィンの進化論が正しいとするならば、「こころ」も進化の産物であ…

歴史の物語り論とは何か

野家(2016)は、歴史学の方法あり方について、自らの立場としての「歴史の物語り論」を紹介している。ここでいう「物語り(narrative)」とは、ある出来事を別のものと一緒にし、またある出来事を関連性に欠けるとして除外するような、出来事に負荷された構造と…

科学は真実を知るための方法ではない

一般的に「科学」と聞くと、我々人間にとって最も確実な知の方法であり、この世の本質もしくは真実を知るための方法であるかのように思える。確かに、まだ科学と哲学が混然一体となっていた時代には、真実を知るための方法としての科学的方法が模索され、確…