2016-01-01から1年間の記事一覧
「意味」とは何だろうか。例えば、われわれは「人生の意味とは何か」とか「それに何の意味があるのか」と問うたりする。「意味がある」ということは、何らかの目的を実現するための「機能」を持っていると捉えることができる。そこで、「機能」とは何かとい…
戸田山(2014)は、われわれが普段使っている概念の内容を分析し、概念の必要十分条件を定式化する「概念分析」は、分析哲学の主な方法だとしつつも、哲学の仕事はむしろ概念をつくること、すなわち「概念工学」だとと主張する。概念分析や概念定義は、理論構…
堀(2015)は、本当のリーダーであるための条件として、7つの行動を挙げる。1つ目に挙げるのが「夢を語る」べき人だということである。したがって、リーダーは、魅力的な目標を設定できるだけの理想化あるいは情熱家という要素を持っている必要がある。また、…
哲学・思想では、「人間の知の基盤(拠り所)はいったい何か」というような根本的な問いが探求される。高田(2011)は、現代思想においては「コミュニケーション的転回」が起こっており、例えば、私たちの世界認識は個人で行われるのではなく、多数の人間の感…
大前(2016)は、これからは「無から有を生み出すイノベーション」を実現することで1個人が世界を変える時代だとし、そのための発想力はトレーニングによって培うことができると説く。具体的には、基礎データを自分自身で時間をかけて集め、類似例を分析して…
行動経済学を、多田(2014)を参考にシンプルに紹介してみよう。まず、行動経済学は「心理学などの知見を取り入れた経済学」である。その意味は、伝統的な経済学で前提となっている「すべての経済主体が最適行動をとる」もしくは、経済主体としての人間は「超…
森岡・今西(2016)は、ビジネス戦略の成否は「確率」で決まっており、その確率はある程度まで操作することができると主張する。つまり、戦略の確率を事前に知り、コントロールしやすい領域とコントロールできない領域を見分け、経営資源をコントロールできる…
クリエイティブになるために「革新的なアイデアがひらめくにはどうしたらよいか」という問いに対し、森岡(2016)は、強いアイデアを生み出す確率を高める「イノベーション・フレームワーク」について解説している。その要素の1つが、アイデアを生み出すポイ…
倉都(2016)は、地政学は、中長期的に世界の資本市場や市場経済を理解する目を養う上で重要であることを説く。とりわけ、現代では地政学リスクが市場や経済を錯乱する可能性が高いという。地政学的リスクの顕在化が、株価や原油のほか為替市場などにも影響を…
名和(2016)は、日本企業がグローバル成長企業へと進化するための方法を、「21世紀の勝ち組、トップ100社」としても認知されているG企業(Global, Growth, Giants)に備わっている特徴を網羅したLEAPというフレームワークを用いて解説している。 名和によれば、…
森生(2016)は、会計やファイナンスという学問は、数字という言語を使ってコミュニケーションをとる際の文法書というスタンスで、企業価値算定(バリュエーション)の基本構造を解説している。まず、企業価値算定と株価算定は深くつながっているので、株価指…
石田(2016)は、複数の問題を一気に解決するアイデア、つまり包括的(インクルーシブ)なアイデアをつくるために思考法を紹介している。これは「そもそもアイデアとは、複数の問題を一気に解決するものである」という発想に基づいていると石田はいう。そして…
フィンケルシュタイン(2016)によれば、「スーパーボス」とは、突出した人を見つけて育てる最強指導者を指す。そして、ほぼすべての業界で、このような偉大なコーチ、才能の発掘者、リーダーシップの教師として活躍するスーパーボスが存在すると指摘している…
細谷(2014)は、「抽象化なくしては生きられない」しかし「抽象化だけでは生きにくい」といった視点から、抽象化の長所や短所をまとめている。そもそも、「具体」の反対とされる「抽象」とは何か。細谷は、その代表的な例として「数」と「言葉」を挙げる。ど…
鈴木(2016)によれば、認知科学とは、知的システムの構造、機能、発生(しくみ、はたらき、なりたち)における情報の流れを科学的に探る学問である。別の言い方をすれば、認知科学は、情報とその処理をキーワードとする学際的研究分野である。もう少し正確に…
論理的思考すなわち「垂直思考」とは異質かつ正反対の「水平思考」という言葉を初めて紹介したデボノ(2015)は、画期的なアイデアは際立った知性の持ち主だけが生み出せるものではなく老若男女を問わず誰でも生み出せるものだとし、新しいアイデアを生むため…
リベラルアーツとは何だろうか。瀬木(2015)は、リベラルアーツとは、教養という言葉によってしばしばイメージされるような権威付けのための用いられる知識ではなく、生きた、実践的な教養であると主張する。つまり、リベラルアーツの本来の趣旨は、「人の精…
三谷(2015)は、「私たちは読んだ本でできている」という前提のもと、自分の独自性を作り出すためにも、戦略的に読書をすることを勧めている。その中でも、組織を動かす人になるためのヒントとなる読書術が紹介されている。 三谷によれば、物事を動かすとき、…
マグレイス(2014)は、従来の戦略論は「業界が最も重要な枠組みだ」「いったん確立された優位性は持続する」という2つの前提を置いているが、現在ではこれらの前提が成立しないため、今の時代には通用しないという。よって、競争優位性は一時的でしかないとい…
殿村(2016)は「ひこにゃん」「うどん県」「今年の漢字」「佐世保バーガー」などのPRに関わった経験をもとに、ブームをつくるPRのありかたについて解説している。殿村が目指しているのは、PR活動を通じて「ひとつの『文化』をつくり上げていく」ことで…
佐藤(2015)は「教養は最高の武器である」という趣旨の実践書においてビジネスパーソンや学生に対していくつかの助言を行っている。その中で印象に残ったもののうち2つ紹介したい。 まず「分析力を鍛える」という項目において、佐藤は、日本語で日常的に使わ…
イノベーションの新たな思想として注目を浴びているのが、ラジュ, プラブ, アフージャ (2013)らによって提唱されている「ジャガード・イノベーション」あるいは「フルーガル・イノベーション」である。日本語らしく言えば「倹約志向型イノベーション」である…
森川(2015)は、シンプルに「何が本質か」を考え尽くすことの重要性を主張する。その結果として、もっとも大切なものを探り当てて、それにすべての力を集中する。それ以外のものは捨て去る。自分なりにシンプルな答えを出して、とにかく全力でやってみるとい…
佐伯(2015)によれば、もともとアメリカの資本主義社会は、個人主義的で自由な経済活動であった。ヨーロッパからの移民たちがやってきたアメリカには豊かな土地があった。人々は土地財産を手にして商品をつくり、市場へ出すことでさらに財産を膨らませ、自力…
佐伯(2015)は、「近代社会」とはヨーロッパが生み出した希望の上に展開されてきたものであるにも関わらず、その近代社会によって、ヨーロッパが没落せざるを得なくなったのだというパラドクスを解説している。ヨーロッパの「近代」は、その「近代」の必然的…
仕事で活躍していくうえで「企画力」は欠かせない要素であるように思える。これに関して、「秋元康の仕事学」において秋元氏は、「企画とは自分の居場所を作ること」だという。オーバーにいえば「存在価値」だという。では、企画において一番大切なことは何…
佐藤(2015)は、現代に生きる私たちにとって、目の前にある現行の資本主義システムの内在的論理をつかむことが重要だと説く。私たちは、現在、資本主義という社会システムの中にいる。システムの中にいると、実はシステムそのものことはよく分からない。わか…
自由とは何かというテーマにおいて、佐伯(2004)は、アイザイア・バーリンによる「積極的自由」と「消極的自由」の区分を紹介している。佐伯によれば、バーリンは、近代社会において区別されるべき問題は、「私はいったい誰によって支配されるのか」と、「私…
現代は、科学的思考、実証主義の影響を強く受け、ものごとの客観性や普遍性を重視すると言われる。であるならば当然、現代社会においても、「何が正しいのか」「どちらが正しいのか」といった、我々にとって重要な判断や意思決定を行う際には、客観性や普遍…
企業経営、経営戦略、組織設計といった企業活動には、それらを正当化する論理が内在しているといえる。経営学の1つの目的は、その論理を明らかにし、明示化していくことにあるわけだが、もっとも重視すべき論理というのは、歴史の発展とそれにともなう経営…