2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

マルクスの思想が到達した「脱成長コミュニズム」とは何か

斎藤(2020)は、最晩年のマルクスが遺した手紙や読書メモなどをつなぎ合わせると、これまで指摘されてこなかった思想の大転換を晩年のマルクスが行っていたことが分かると論じる。どういうことかというと、マルクスは晩年になって、若かりし時代に盟友エンゲ…

現代思想家になる方法

千葉(2022)は、1960年代から1990年代を中心に、主にフランスで展開された「ポスト構造主義」を、とりわけジャック・デリダ、ジル・ドゥルーズ、ミシェル・フーコーの思想を中心に「現代思想」として紹介し、現代思想を、「秩序を強化する動きへの警戒心を持…

世界が純粋機械化経済に移行するとどうなるのか

井上(2019)は、有史時代となってから世界の経済は、農耕中心の経済の生産構造から、機械化経済の生産構造へと変化し、将来は、純粋機械化経済の生産構造へとシフトすることが予想されるという。このような経済の生産構造の変化は私達にどのような影響をもた…

「世界統合」vs「勢力均衡」で理解する世界史と未来の世界

長沼(2021)は、E.H.カーの「歴史とは、現在と過去との対話である」という言葉を引きながら、現代の私たちが未来をどう見るかで、どのように過去からのストーリーを決めるのだという。そのような視点から、長沼は、「未来はコンピューター化された経済力やメ…

文系理系を問わず量子力学を理解すべき理由

村上(2021)は、正解があるかどうか分からない課題に直面した時に正解にたどり着く方法や、未来を正しく見通す力を身に着けるには、日常感覚の世界を飛び越えたような発想やアイデアに導く比類なき思考が大切だといい、これを「クオンタム思考」と呼んでいる…