2011-01-01から1年間の記事一覧

デザイン思考の方法論

奥出(2007)によれば、デザイン思考とは、創造性を経営に反映させる方法である。ここでいう創造性とは、つくりだしたプロダクトで人の心をつかまえる、人がそれを見て感動する、持っていて嬉しくなるといったことである。また、消費者を観察することでアイデ…

数学の奥深さ

数学はどれほど奥深い学問なのか。また、私たちはどうして数学を学ぶ必要があるのか。高校の教科書の冒頭に、その理由が簡潔に示されている。 永尾汎ほか(2006)によれば、数学はもともと「数」と「図形」に対する関心から自然に生まれたもので、天文学ととも…

デザイン思考のメカニズム

ブラウン(2010)は、イノベーションに対する新しいアプローチとして「デザイン思考」を提唱する。デザイン思考は、誰もが持ってはいるものの、従来の問題解決手法では軽視されてきた能力を利用するという。それは、直感で判断する能力、パターンを見分ける能…

デザイン思考の方法論

紺野(2010)は、デザイン経営の知的方法論として、「コンセプト・デザイン」「関係性デザイン」「シナリオ・デザイン」3つのデザインを紹介している。 コンセプト・デザインとは、「コンセプト化(概念化)」の方法である。社会や経済、顧客現場の観察データ…

デザイン思考とは何か

デザインという言葉を聞くと、モノのカタチのデザインを思い浮かべがちであるが、紺野(2010)は、デザインの本質的な意味や価値は、カタチに至るまでのコンセプトや、製品やサービスを構成する多くの要素間の関係性の形成力にあるという。単に美しいものを創…

グローバルに通用するリーダーシップのルール

ヤマモト(2011)は、グローバル時代に生き残るために本当に必要なスキルの磨き方について述べている。その中に、グローバルに通用するリーダーシップがある。 ヤマモトによれば、リーダーシップにまず必要なのは「立ち位置」である。つまり「人の前に立つ」こ…

デキル人は実践している「知的ナンパ」と「時間ケチ」

ヤマモト(2011)は、グローバル時代に生き残るために本当に必要なスキルの磨き方について述べているが、その中に、「知的ナンパ」と「時間ケチ」が含まれている。 よい仕事をしていくうえでは、質の高いパーソナルネットワークが必要である。自分がある構想を…

自分自身を他人のようにコントロールする

自分が部下を持つ場合、あるいは自分が他者と一緒に仕事する場合、他者の行動については、無駄なことをしていないかどうか、仕事を効果的にこなしているかなど細かいところまで気になり、ついつい彼らの行動を監視したりコントロールしたい欲求にとらわれて…

文章は読み手の立場にたって書け

堀井(2011)は、文章を書くことの基本精神は「サービス」にあると主張する。ここでいうサービスとは「何事にも優先して、とにかく読んでいる人のことを常に考えること」である。したがって、誰に向かって書いているかを明確に意識しなければならないという。…

プロフェッショナルの条件

藤尾・武田(2010)は、職業のジャンルを問わず、仕事をすることによって報酬を得ている人のうち「プロ」と呼べる人の条件を次のように挙げている。 自分で高い目標を立てられる(自分で高い目標を立て、その目標に責任を持って挑戦しようとする) 約束を守る…

代表作を生み出した後のキャリアデザイン

結果で勝負するクリエイター、作家、研究者、プロフェショナルにとって、自分の代表作ともいえる最高の成果を生み出すことは大きな目標である。しかし、最高傑作を生み出すことによって燃え尽きる(バーンアウトする)ことも大いに考えられる。では、そうい…

「実存」と「構造」の思考モデルを使い分ける

三田(2011)は、「実存」と「構造」は20世紀を代表する2つの思想であり、コインの表と裏のような関係にあるという。人間は本来自由であり、自らの意志によって生きていけば無限の未来があるというのが実存という思考モデルの根幹で、人間はある限られた可能性…

身体を張った仕事をしよう

見城・藤田(2011)は「圧倒的な努力」で「正面突破」を図る仕事論を展開している。そうすれば当然、傷めつけられ、七転八倒する。それでも闘い続ける。それを「憂鬱でなければ仕事でない」というタイトルで表現している。 見城・藤田によれば、努力をするのは…

自分の「大人げない部分」を大事にしよう

成毛(2009)は、世間の注目を浴びるような飛びぬけた功績を残す人には、子供のまま大人になったような人物が驚くほど多いと指摘する。あやふやでつまらない成熟や常識といったものとはまったく無縁の生き方をしているという。人を惹きつけ、独自の世界を構築…

合法的に「インサイダー取引」をする

瀧本(2011)は、投資家とは、「資本を所有して、それを自分のために適切な機会に投資することができる人」だと言うが、ここで大切なのは、資本=マネーではないということだ。自分自身の知識やスキルといった人的資本や、人脈などのソーシャル資本も資本であ…

非情で残酷な日本社会を生き抜くための武器

瀧本(2011)は、自らが京大にて起業論を教えつつ、これからの若者がある意味非情で残酷な「本物の資本主義」社会で生き抜いていくために必要な考え方について論じている。その中で、これからのビジネスパーソンとして生き残る4つのタイプを紹介している。 1…

米国企業に学ぶ日本企業らしい戦い方とは

中村(2011)によれば、高度成長時の日本は、先進国の最後尾に位置し、日本を脅かす存在はなかった。この「雁行型経済発展」において、日本は「豊かな先進国市場」をターゲットに、価格競争力を武器に品質の向上を進め躍進していった。その結果、1980年代後半…

国の力はどう決まるのか

佐々木(2011)は、国の力がどう決まるのかに関して、代表的なリアリストであるハンス・モーゲンソーの言説を紹介している。 モーゲンソーが示す伝統的な分析手法は、国力を形成する要素として「地理」「天然資源(食料と原材料)」「工業生産能力」「軍事力(…

中国人の力を借りる日本人材の活性化

佐々木(2011)は、日本と中国は将来、政治・経済・軍事などあらゆる面でライバルとなるだろうが、中国でくすぶっている野心と能力のある人を日本に惹きつけ、仲良くすべきだと論じる。それが、少子高齢化の進展に伴う人口減少、労働力の向上のみならず、日本…

日本語とヨーロッパ語の違い

野内(2011)は、相手に伝わる文章を書くコツをわかりやすく解説しているが、日本語をヨーロッパ語と比較することによって、わかりやすい日本語を書くためのヒントを提供している。 野内によれば、ヨーロッパ語(欧文脈)では、主語が中心的役割を果たす。ヨー…

仕事の達人、人生の達人

シーリグ(2010)は、仕事によって生活が豊かになる、こんなに楽しんでいてお金をもらっていいのかと思えることを仕事にすることを示すものとして、以下の老子の言葉を紹介している。 生きることの達人は、仕事と遊び、労働と余暇、心と体、教育と娯楽、愛と宗…

光り輝くチャンスを逃すな

スタンフォード白熱教室でおなじみのティナ・シーリグが初日の最後に示すのは「光り輝くチャンスを逃すな」である。これは、彼女の約束と学生への期待だという。人生にリハーサルはない。最高の仕事をするチャンスは一回きり。光輝くとは、いつでも期待以上…

「性弱説」に基づくマネジメント

吉越(2011)は、稲盛和夫氏の「人間とは弱いものである」という「性弱説」を紹介している。人間というのは、床に札束が落ちているのを見つけたら、持って行ってしまうくらい「心が弱い」のだというのである。そして、以下のような議論を展開する。 一万円札が…

Papers in Progress

For conferences Determinants of job crafting. Organizational identity in cross-border M&A For journals LMX and career development in PT work: A learning theory perspective. Fairness from the top. Flow-conscious behavior

現象学からみる「言語の本質」

竹田(2004)は、言語の形式論理的分析を主たる方法とする現代言語哲学は謎が謎を呼ぶようで決して解決しない袋小路になっているが、現象学的方法で言語を捉えるならば、言語の本質はほぼ明らかになると論じる。例えば、現代言語哲学で登場する「言語ゲーム」…

なぜ社会主義国家は一党独裁になるのか

民主主義国家では、複数の政党が政策論争を行い、国民に最も支持される政党が選ばれるというプロセスが存在する。しかしながら社会主義国家では、ほとんどの場合一党独裁となる。これについて、竹田(2004)は、歴史が証明してきたように、社会主義国家は、必…

世界はチャンスで溢れている

シーリグ(2011)は、彼女が担当する起業家精神、創造性と革新に関する講義におけるもっとも重要なメッセージとして「問題はすべてチャンスに変えることができる」と言っている。つまり、あらゆる問題がチャンスであり、問題が大きければ大きいほど、チャンス…

研究プロジェクト

ヒューマン・キャピタル研究 企業の人的資本(ヒューマン・キャピタル)が企業業績に影響を与えるメカニズム 人材マネジメントのグローバル化 人事の国際化やグローバル人材、外国人雇用などに関する研究 新しい働き方とワーク・ライフ・マネジメント IT化や…

現象学は人間の認識構造を「信憑構造」と捉える

竹田(2004)は、フッサールによって生み出された「現象学」のコア概念である「現象学的還元」という方法の本質的な意味を説明するさい、それは、認識問題を解明するための方法であり、そのために、人間の認識の構造を「信憑構造」として捉え、その構造の共通…

人生を振り返りたくなる年代

秋元(2006)は、中学校のクラス会に出席したエピソードをもとに、「人はある年代を境に人生を振り返りたくなるのだろう」と綴っている。子供のころの彼の担任は「それまで、クラス会なんかやったこともなかった卒業生たちから、急に、連絡が来るようになるの…