マネーの公理・人生の公理

ギュンター(2005)は、投機の知恵を記した「マネーの公理」において、人生はすべてギャンブルであり、人生を生きる賢明な方法は自らをあえてリスクにさらすことだと説く。そして、配慮と思考を持って賭けて勝つための法則もしくは哲学として、12のルールからなる「チューリッヒの公理」を紹介している。


ギュンターによれば、給与だけでは決して金持ちになれない。投機が必要である。リスクをとる冒険は、人生を生きる価値のあるものにする。傷つくことを恐れず、勝負に出ることが大切である。勝負に出て大きな儲けを狙うのであれば、分散投資の誘惑に負けてはいけない。


ただし、強欲を排すべきである。勝利してもそれが続くと思ってはならず、運を乱用してはいけない。つまり「常に早すぎるほど早く利食え」ということである。また、問題が発生したらうろたえてはいけない。小さな損失には甘んじて受け入れ、「船が沈み始めたら祈るな、飛び込め」とも言っている。その他、予測やパターンを想定してはならず、常に機動力を持って臨機応変に対応できるようにしておくこと、説明ができる直観ならば信用する、などの公理を説明している。