レガシーワークとは何か

ギレボー(2012)は、自分が生きた証となる仕事を「レガシーワーク」と呼ぶ。レガシーワークを考える上でのポイントは「自分が人生から本当に得たいものは何か」「自分にしかできない、世界への貢献は何か」という2つの質問であるという。これは「生きる意味」に通じるものであり「人生と仕事のルール」にも関連している。つまり、自分らしく、生きた証となる仕事をする人、自分だけを満たすのではなく、社会とつながる人、人に貢献することで、自分の人生を輝かせる人を目指すということである。


忙しいだけで価値のないビジーワークを「悪い仕事」とするならば、有益で生産的なグッドワークすなわち「良い仕事」は、レガシーワークではない。グッドワークは気持ちよく取り組めるが、偉大な仕事すなわちレガシーワークは変革をもたらす仕事、前進を伴う仕事だから、気持ちよさと辛さの両方を経験するとギレボーはいう。


レガシーワークの基本原則は、創造的で新しい何かを生み出すことに関係しているという。すでに存在する何かに反応する仕事とは対照的である。そのためには、費やした時間ではなく、成果(アウトプット)で仕事を評価する必要がある。また、「ほんとうに大事なこと」すなわち重要な仕事を継続するための自己規律も必要となる。


たった一度しかない人生を、人の期待通りに生きる必要はない。自分自身のルールをつくり、自分がすばらしいと思うことをやりながら、周りの人を助ける。自分自身の人生を創りだすためにには、常識からはみ出して生きる勇気と覚悟も必要であることをギレボーは示唆するのである。