先延ばししがちな仕事は作業時間を決める

仕事を効果的にこなしていく上で必要なのは、終わりから計算することであるとよく言われる。つまり、締切りとそのときに必要なアウトプットをイメージし、そこから逆算することによって、毎日行うべき作業量を決めるのである。そうすれば、決められた作業量を日々こなしていくことによって、計画通り、締切りまでに必要なアウトプットを出すことができる。


しかし、例えば研究開発のように、よいアウトプットが得られるかどうかの不確実性が高く、かつ予期せざる出来事がより優れたアウトプットにつながったり、逆のケースが起こったりするような仕事もある。その場合には、将来が霧がかっているようでモチベーションが保てず、なかなか作業に取り掛かれなかったり、仕事を先送りしてしまいがちである。いったん初めてしまうと集中できるのに、なかなか始めるのが難しい仕事というのは、こういった要素を持っているものである。緊急性がないが重要な仕事というのも、しばしばこのような性質を持っている。締切りがないがゆえに、アウトプットから逆算して作業量を決めるというやり方がしにくい。


このような困難を克服するには、作業量を決めるのではなく、一日に絶対に行うべき作業時間を決めるのがよい。アウトプットの是非に関わらず、必ず一定の時間をその仕事に費やすことを決めるのである。気が乗らない場合でも、生産性が低そうな予感がする場合でも、必ず決まった時間はその仕事に費やすことにする。いくらアウトプットが不確実性に満ちているとはいえ、時間をかければかけただけ、一歩前に前進することになるのだ。一歩一歩前進させていくことによって、望ましいアウトプットに近づいていくことであろう。