人生・キャリアの法則、資産運用の法則

人生において最も重要なのは、自分はどういった人生を送りたいのかという長期的なビジョンである。であるから、人生の多くの時間を費やす仕事、キャリアについて、どういった仕事をしていきたいのか、という長期的ビジョンも重要となってくる。人生やキャリアについての長期的ビジョンがあるからこそ、人生という限られた時間において、いったい何に多くの時間をかければよいのかという優先順位が明確になる。


藤沢(2008)によれば、人生において限りある時間を有効に使うには、人任せにはできない自分磨きに時間を費やす必要がある。キャリアアップや人間関係の構築には時間をかけて取り組む必要がある。人生においては、資格を取得したい、趣味の時間をもうけたい、ボランティアに参加したい、家族との時間を増やしたい、仕事の時間を減らしたい、など、自分の人生にとってそのときに最も大切だと思われるものに時間をかけたい時が生じるものだ。そのときに安心してそれに専念するには、ある程度のお金の蓄えが必要である。


つまり、お金は、自分の望む人生を実現するためのツールの1つなのである。人生において「自分がどうありたいのか」「何をしたいのか」といった長期的ビジョン、設計図が描ければ、それを実現するためにどれくらいのお金が必要なのかもわかってくる。そのお金は、資産運用によって築いていく必要がある。内藤(2009)は、これからは仕事よりもお金の知識のあるなしが人生を大きく左右する時代だという。つまり、資産運用の巧拙によって、人生の夢や目標をかなえるために使えるお金の量が大きく左右されてしまうということなのである。


とはいえ、内藤(2009)は、資産運用では高度で複雑な知識を習得する必要はなく、次のシンプルな「投資の鉄則」を押さえておくのが肝要だという。投資の鉄則とは、(1)長期、(2)分散、(3)低コスト、(5)インデックス、(6)積み立て、である。人生において大切なものに時間をたくさん使うためには、資産運用については最低限の時間で効果的な運用をめざすべきなのである。