微分積分読解術で数学好きに

趣味で将棋や囲碁をやる場合、必ずしも強くなくてもいい。プロとは違い、楽しむことを目的として「下手の横好き」でやってもなんら問題はない。数学も同じだと小島(2004)は示唆する。数学者のような能力は必要ない。人類にとって最古の文化・教養である数学を楽しまない手はない。


数学が好きになるには、数式を眺めて、それを頭のなかでなんらかの具体的なイメージに置き換えるということができることがポイントである。それをマスターする1つの方法として、小島は「微分積分読解術」を紹介している。これを身に着けてしまえば、どんな数学書も怖くないというのである。


微分積分読解術をマスターする秘訣は、棒グラフと折れ線グラフにある。まず、棒グラフをイメージする。これをf(x)とする。そして、棒グラフの、x軸で0からtまでの面積の動きを、折れ線グラフでイメージする。これをG(x)とする。そうすると、G(x)の微分はf(x)であり、f(x)の積分はG(x)という関係が成り立ってしまうのである。微分積分は、これを連続的でなめらかな関数としてとらえたものと考えられ、棒グラフと折れ線グラフの説明は、連続的な関数の微分積分を、グラフで近似することによって理解できるということを示しているのである。