論点思考力を高める

仕事では「正しい問題」を解決する必要がある。内田(2010)は、解くべき問題、すなわち「論点」を正しく設定することで、考えるべきことを限定し、考えなくてもよいその他多くを捨てることができるという。


そのためには、問題を与えられたら、それをまず疑ってみることが大切であると言う。「本当に正しい問題か」「本当にそれが論点か」という視点を常に持つということである。そして、どんな論点がありそうかリストアップし、論点候補を搾り出す。具体的には、「何が問題なのか」「それは解けるのか」「解けるとどんないいことがあるのか」を考える。


そして、どれが真の論点か「当たりをつける」あるいは「筋の善し悪しを考える」。論点を絞り込み、確定したら、全体像で確認する。「当たりをつける」のは、経験や考察にもとに立てた仮説を駆使していく作業であり、筋の善し悪しとは、「解決できるのか」「解決できるとして、実行可能か」「解決したらどれだけの効果があるか」にかんする見極めである。


論点思考を高めるうえで大事なのは、常に違った視点でものを見たり、考えたりする癖をつけることだと内田は言う。そこで、視野・視座・視点の三要素がポイントとなる。まず、広い視野を持つ。普段あまり見ていない方向に眼を向けてみる。そして、二つ上のポジションについているつもりの視座で見る。そして、様々な視点(着眼点)で見る。つまり、切り口を変えてみるのである。