42歳からのキャリア術

田中(2010)は、キャリアの本当の意味でのブラッシュアップは、42歳から始まるとしたうえで、ミドル・キャリアに有用ないくつかのキャリア術を紹介している。


まず、人材の価値は需要と供給のバランスで決まるので、一見無関係に思えるスキルや知識や経験を複数組み合わせることによって、希少価値が高まり、キャリアが磨かれ、光り輝いてくる可能性を示唆している。また、ある場所ではあたりまえだと思われているスキルや能力であっても、場所を買えれば特別な輝きを持つ可能性も示唆している。ちょっとした発想の転換で、人材価値を一気に上げることも可能なのだ。


また、キャリア・アップという上方向の思想でなく、横にスライドするという考え方も重要だという。特定の分野でそれなりの業績を残してきたならば、それで獲得してきたブランドやポジション、スキル、経験などを横展開することで、意外な市場を見つけることができるかもしれない。田中の例でいうと、創刊編集長の職務要件が、映画プロデューサーの要件と同じだったため、キャリア転換をすることができたという。


さらに田中は「複数の場で活躍する」という意味での複職(二足のわらじ)を提言している。さらに、自分のキャリアと向き合うためには、プロフィールを常にアップデートし、自分を語るキャッチフレーズを確立することである。