2011-01-01から1年間の記事一覧

グローバルな実力を磨いて「人材仕分け」を乗り切ろう

ヤマモト(2011)は、グローバル競争の波は、日本人一人ひとりの耳元まで迫っており、日本人の中でもグローバルに活躍できる人材を選別しようとする「人材仕分け」が始まりつつあると論じている。日本企業であっても、今後の競争に勝ち抜くためには、「外国人…

キュレーション:「つながり」の情報革命

佐々木(2011)は、現在進行しつつある情報革命の方向性を、「キュレーション」というキーワードを中心に、「つながり」の情報革命として論じている。それは、世界の情報を流通させる巨大なソーシャルメディアプラットフォームが出現し、その上に、無数の情報…

機会を捉えるキャリア・バージョンアップ法

工業化社会における工業製品の場合、製品はできるだけ完成度を高めたうえで万全を期して市場に出すことだろう。それに対して、変化のスピードが速いIT業界などの世界では、80%くらいの完成度でもスピードを重視して市場に出し、ユーザーの反応など、機会を…

挫折力を高めて一流になる

冨山(2011)は、人をもっとも成長させるのは「挫折」であるという。挫折を経験するのは、自分の能力以上のことに挑戦する(成長しようとする)からであり、それが「のびしろ」を作る。挫折を経験することによって挫折力を身につければ、それは壁をぶち破る力…

圧倒的に生産性を高める「イシュー思考」

人生は何かを成し遂げるにはあまりにも短い。よって、仕事でも生活でも、「限られた時間で、いかに価値のあるアウトプットを効率的に生み出すか」が重要となる。安宅(2010)は、その鍵は「イシュー」にあるという。何らかの課題に取り組むさい、イシューをし…

アイデアが溢れる仕組みを構築する

原尻(2011)は、世界を変えるような優れたアウトプットを生み出すための「アイデア至上主義」の世界で結果を出し続けるために、継続してアイデアが生まれる仕組み(装置)の構築方法を提案している。それは、インプットの技術とアウトプットの技術から成り立…

主観的意識体験の本質としてのクオリア

意識を持った<私>がふだん経験する主観的体験は、クオリア(ユニークな質感)に満ちている。目覚めにいれた一杯のコーヒーの香り、まぶしくギラギラした太陽の日差し、水の冷んやりとした感触。私のみが経験しているユニークな質感。他人は決してわからな…

情報戦を勝ち抜く謀略技術

福田(2007)は、情報戦を専門的に扱った中国兵法の「間書」に基づき、私利私欲のためではなく、自分も汚れる覚悟で公益を果たすために「戦わずして勝つ」ための手段として、情報戦(スパイ活動)の技術を紹介している。 まず、情報戦(スパイ活動)とは、情報…

キツいときは上っている

どらく「ひとインタビュー」177回、仲村トオルさんより http://doraku.asahi.com/hito/interview/index.html?bnum=177 20代後半、時代劇映画の稽古が始まってから役を降ろされたことがあります。ショックでした。でも今考えるといろんな意味で力不足でし…

心に栄養を

ほとんどの人にとって、「褒められること」「認められること」は、それだけで元気になる、心の栄養であるといってよいだろう。精神的に元気がない人にとってみると、この栄養分が欠乏している可能性があることを認識するとよいだろう。そして、それを与えて…

長い文章を書く方法

書き下ろしの単行本の執筆のように、長い文章を書くときにはどういった点に注意したらよいだろうか。鷲田(2006)は、以下のようなコツを紹介している。 まずは、自分の「視点」を持つことだと鷲田は言う。「立場」や「視覚」と言い換えてもよい。これは、レン…

客観性を担保する視点は存在するのか

自然科学に代表される科学が前提としているのは、正確な用語とはいえないかもしれないが「客観性」であるとしよう。なるほど、客観的な視点から、この宇宙、世界、自然を考えた場合、それはわれわれ人類とは独立したものとして捉えることが可能になる。例え…

ヴィトゲンシュタインの「論考」と「言語ゲーム」

橋爪(2009)によれば、ヴィトゲンシュタインの著作は、前期と後期に分かれる。前期の「論考」の主題は、世界と言語(もしくは思考)との関係である。「論考」によれば、世界(出来事の集まり)と言語(命題の集まり)とは、ぴったりと対応しており、これを「…

言葉と数の密接な関係

わが国では文系、理系という区分があり、文系では主に言葉を扱い、理系では主に数を扱うようなイメージがあるが、橋爪(2009)は、論理学の視点から、言葉と数は密接な関係があることを示している。そもそも、この世界は何一つ同一なものはない。あらゆるもの…

そもそも流議論術

谷原(2009)は、人を動かすためのさまざまな質問術を紹介している。たとえば、その中に「そもそも流議論術」というのがある。相手の反論にあった場合など、相手に反論をすることなく、価値観の部分に揺さぶりをかけるように質問をしていく方法の1つである。…

人を動かすポジティブ・クエスチョン

谷原(2009)は、質問力を身につけることは人生で成功する力を身につけることに等しいという。人生で勝利するためには質問をすることであるとし、人を動かそうと思ったら、こちらの望むような道順で思考してもらうように質問をしていくことが重要だと説く。な…

リーダーシップとは「つなげる力」

藤原(2010)は、リーダーシップを「人を動かす力」であるとし、人生のあらゆる局面で味方が多い人に共通の特性であるという。どんな小さなことであっても、他人がどうしたら「自分がイメージするように動いてくれるのか」を学ぶことは、人生に必須であると主…

リテラシーを高める

藤原(2010)によると、リテラシーとは、頭のいい人があらゆる局面で使っている技術であり、「理性の運用技術」だという。書かれていることをただ鵜呑みにするのではなく、批判検討を加えて取り入れていくことであるともいう。藤原氏自身の言葉でいうと、読み…

ミステリーな量子力学

ガリレイが「自然の書物は数学の言葉によって書かれている」と言ったように、自然科学は、数学の力によって大きく発展したといってもよいだろう。あるいは、数学こそが、自然現象の本質的構造を表現していると考えられてきたといえる。 http://d.hatena.ne.j…

自分ブランドの作り方

中谷(2011)によれば、自分ブランドとは、「あの人は自由に生きて好きなことをやっている。あれでよく食べていけるよね」ということである。「自由に生きている感」である。実は、自分ブランドができてくれば、「あいつなら仕方ない。結果だしてるもん」と、…

努力する能力、技術

努力に能力や技術があるとすれば、それは何だろうか。それは、気が遠くなるような高いハードル、とてつもなく大きな目標や課題が現れたときに、そのプレッシャーに対して闘争心を抱き、それを超えようとする活動を持続させる力だと考える。そして、これは実…

社会思想史を勉強しよう

現代は激動の時代であるゆえ、私たちの未来社会はいったいどうなるのか、方向性は定かではない。山脇(2009)は、私たち各自が、自分の生きる現代社会を理解し、未来社会を構想するために、さまざまな過去の思想の蓄積から糧を得ることが大切だと説く。つまり…

人生に「課題」を設定する

茂木ほか(2010)は、複数の著者が、強く賢く生きるヒントを提供する本である。その中で、丹羽宇一郎氏は、人生に「課題」を持つことの重要性を説いている。人間は課題を持たないと生きていけないと丹羽は言う。課題がまったくない人というのは、生きていく目…

圧倒的な違いを生み出すアイデア・ブランド

ムン(2010)は、圧倒的な違いを生み出し、人々に愛される優れたブランドをアイデア・ブランドと呼び、以下のように、その考え方の3つの例をあげている。 1つ目の「リバース・ブランド」は、ある商品カテゴリーが同じ方向での機能拡充に凌ぎを削っているのを…

セレンディピティと偶然性と運命と

セレンディピティ(偶然の幸福に出会う能力)によって何かを発見したり、何かに巡り合ったりすることは、見かたを変えれば自分自身の行動に起因していることもあり、必然であり、運命であったといえなくはないか。これに関して、木田(2009)は、偶然性と運命の…

科学の射程と限界

小林(2009)は、近現代の科学の成立の事情やその条件・本性を踏まえることによって、近現代の科学の射程と限界を検討している。小林は、近現代の科学は、ガリレイやデカルトらによって、われわれの日常の知覚経験に基づいて理論を構築するアリストテレス自然…

脳整理法に学ぶ人生訓

茂木(2005)は、私たちの脳は、世界との交渉の中で得たさまざまな体験を「整理」し、消化する臓器として進化してきたという。脳の中でたくさんの体験が関連付けられ、整理されることによって、新たな知恵が生まれてくるというわけである。人間の脳は、自分が…

「人間の時間」と「神の時間」

茂木(2005)は、私たちの存在するこの世界の根本的な性質でありながら、いまだに正体がつかみきれていないのが「時間」であり、時間ほど「生きる」ということの個別性と結びついているものはないと指摘する。「私」という特別な存在、体験の真ん中に「時間」…

論語の本質

佐久(2006)は、論語の中でも孔子の残したメッセージを、以下の10章にわけて解説している。 人生の目標(善く生きる、どう生きるべきか) 家族(親と子、親孝行) 教育と学問(学ぶということ、知るということ、学習と思索など) 道徳の力(徳、仁、礼儀な…

デフォルメする技術、捨てる技術

藤原・岡部(2007)は、数学でも重要な「抽象化」の重要性を説く中で、抽象化とは「捨てる技術」だと説明する。例えば、複雑な問題について思考しようとするさいに、なるべく単純に物事の本質を眺められるように、細かい部分を捨て去って抽象化した図を描くこ…