人生は何かを成し遂げるにはあまりにも短い。よって、仕事でも生活でも、「限られた時間で、いかに価値のあるアウトプットを効率的に生み出すか」が重要となる。安宅(2010)は、その鍵は「イシュー」にあるという。何らかの課題に取り組むさい、イシューをしっかりと見極めたうえで、そのイシューに集中することで「圧倒的に生産性の高い人」になれるというのである。
ここでいうイシューとは何か。イシューとは、まだ決着がついていないが、物事の根本・本質にかかわる問題である。だからこそ、それに答えを出すことで、その後の展開に大きなインパクトを与える(価値を生み出す)のである。一言でいえば、本当に意味のある大切な問題、しかも、答えを出すことが可能な問題である。
良いイシューとは、1)それに答えが出るとそこから先の検討方向性に大きく影響を与えるもの、2)常識を覆すような洞察があったり、新しい構造で世の中を説明したり、深く踏み込んだ仮説を含んでいるもの、3)きちっと答えを出せるもの、という3条件を備えたものである。良いイシューに取り組めば、物事の見方、考え方が劇的に変化し、現状を大きくブレークスルーできるような解が見つかる可能性が高まるだろう。