勝ち続ける人材になるためには

これからの時代「勝ち続ける人材」のみが生き残っていける。笛木(2014)は、「勝ち続けること」は、生まれながらの才能というよりは「スキル」であり、後天的に身につけることができるという。では、後天的に身につけることができる「勝ち続けるための方程式」とは何か。


笛木によれば、それは、勝負をする前に自分がどこで勝負するか(=自分の土俵)を見極め、そこでの戦い方(=勝ちパターン)を確立することである。「土俵」と「勝ちパターン」を組み合わせることにより、誰でも効率的かつ安定的に勝てるようになるというわけである。


勝つためには、すべての要素で他者よりも優れている必要はない。そのために、相手との関係において、自分が比較優位に立てるポジションとしての「土俵」をつくり、そのポジションに相手を引きずりこみ、「自分の土俵で戦う」ことが大切だと笛木はいう。自分の土俵は、自分の得意技が活かせる場所である。


そして、勝ちパターンがあれば、勝ちに至る道筋が効率化され、より少ない努力と時間で勝てるようになるという。そうすることで生まれれ時間を、自分の強みをより強化する、あるいは新しい強みを見つけられるようなことに費やすことで、勝ちパターンにより磨きがかかることになる。「勝利の効率化」がさらなる成長を生むということである。


笛木によれば、勝ちパターンを確立する際に重要なのは、まず、コミュニケーションの上手さである。そして、フットワークの良さと対人的なネットワークである。さらに、寝技や根回しも大切である。そのような下地のもと、「何か必要なときに自分の顔を真っ先に思い浮かべてもらう」存在になるために、自分に「ラベル」をつけ、それを意識的に宣伝し、かつそのように振る舞うことである。意図的につくっていく「ラベル」は、一言で表せるもの、わかりやすい言葉であること、そして中身を正確に表していることが必要である。


また、自分の「勝ち」の定義(=目標設定)を行い、それに必要なスキルを洗い出し、そのスキルだけを磨くのに注力することが重要だという。そして、「勝ち」を定義する際には、「キャリアにおいて最終的に成し遂げたいこと」「キャリアの最終目標」は何かを自問自答してみることが大切なのだという。