個性こそが最大の武器−奇人変人のススメ

富坂(2012)は、医師、ハーバード大学留学、マッキンゼー社での経験を通じて、成功するための秘訣を紹介している。それを一言でいえば、自信を加えて乗せる「自信加乗」である。


例えば「やりすぎといわれるくらいが丁度いい」と富坂は言う。人の目を気にしていたら何もできない。特に若い世代に対しては、セルフプロデュース力、自己アピール力なくしてこれからの社会を生き抜くことはできないことを強調している。同様に、マッキンゼー社で家庭の調理時間を節約するためにオフィスで野菜を刻んで帰る同僚や、自分の時給は食事の鍋や食器代よりも高いという理由から、それらを使い捨てする同僚を目の当たりにした経験から、「個性こそが最大の武器」であるといい、「奇人変人」「好奇人」であることを大いに勧めるのである。


また富坂は、人の目なんて気にせずに思いのまま生きることが、後悔しないための人生の法則であり、日本人の感覚では「ハッタリ」であっても、それくらいで丁度いいともいう。雲の上の人を見つけたら、物怖じしないでその人の雲の中に入ってしまう。そうすれば自然に上昇し、普通でないことも普通に見えてしまうという。


そして、チャンスは自分をストレッチして手に入れるという。チャンスが来たら、後先のことは考えず即座に「YES」と答えるべきだということである。自分のことは自分の主観で判断して決める。何かを成し遂げようとするときには「絶対にうまくいく」と思いこむことが大切だと説く。人に話せば失笑をかったり呆られたりするような無謀な試みであったとしても、自分の中で夢を描くのは勝手である。欲しいものを手に入れた時のイメージをできるだけ具体的に膨らませることをアドバイスするのである。