ハーバードで学んだシンプルな法則

林(2012)は、自分自身が3回目のチャレンジで憧れのハーバード大学への進学を果たし、ハーバードで輝いている人たち、すなわち、自分の使命を理解し、好きなことを通じた社会に貢献している人たちは、どのようにして自分の進むべき道を見つけたのかへの興味を持ったという。そして、輝いている人たちの共通点としてわかったのが「簡単にあきらめない」というシンプルなことだったという。


そして、ハーバードで出会った「あきらめない」人たちとの交流から学んだシンプルな法則を紹介している。そのシンプルなことを実践できるかどうかで、人生は大きく変わってくるという。例えば、「自分の経歴が少数派であったとしても、それを卑下したり隠したりする必要などまったくない。自分の人生においては自分こそが主人公なのだから、胸を張って生きなさい」とうようなメッセージである。


「2つのキーワード」もその1つである。これは、自分を2つのキーワードで表現するよう意識すること。キーワードは専門性で、1つの専門性として見た場合は幅広いが、2つの異なる専門性を掛け合わせれば個人のユニークさを作ることになるというわけである。2つのキーワードは専門性を深め、経験を積むことで変わってくるかもしれないが、「その時々で常に自分を端的に表現できるキーワードを持つ」ことは林の中でも大きな指針となっているそうである。


「すべてのことには意味がある(Everything has a reason.)」という言葉も紹介している。自分がコントロールできる部分については、最高の力を発揮すること。その上で、どうしてもコントロールできない部分があるという現実を受け入れること。努力したところでどうにもならないことで残念な結果になったとしても、それは自分が否定されたのではなく、何らかの「意味」を与えられたということ。事実は事実として謙虚に受け止め、失敗の中にこそ意味を見出し、結果をいたずらに引きずることなく、むしろそれを成長の糧として前に進むことが大切だと示唆する。


そして、ハーバードを通じて学んだ、シンプルだが本当に大切なこととして、以下の4つをあげている。

  • 謙虚になることの大切さ
  • そばで支えてくれる人たちへの感謝の気持ち
  • この世に生まれてきたことの意味
  • そして、自分が果たすべき使命