逆境さえも糧にする学習力

泉(2009)は、厳しい時代を生きるために「自分を鍛える」ためのキーワードの1つに「学習主義」を挙げている。これには、「自らの視野を広げ、器を大きくするために常に勉強する」ということと、「どんなときにも、どんなことからも学ぶ」の2つの意味がある。


何ごとも自分の人生にとっての学びになるわけだから、「逆境」はまさに学習の絶好の機会だといえる。あらゆることが「将来の糧」となるわけだから、常に「この経験から何を学ぶことができるのか」を意識することが大切だ。そうすれば、どんなことからも吸収できる要素を見出せると泉は言う。


また、人間としての力量や能力、視野の広さを見につけるには、生きる知恵を身につけたり、考え方を身に着けたり、生の現場を見たり体験したりすることも大切だと言う。そのためには自己投資を惜しんではいけない。とりわけ時間の投資を心がけるべきである。ベンジャミン・フランクリンの「人生は時間でできている」と言っているが、そのかけがえのない貴重な時間を投資する。自分の時間の多くを割く「仕事」を選ぶ場合にも「この仕事から自分は何を勉強できるのか」を真っ先に考えるべきである。投資的観点から言っても、「自己投資(学び)に勝る投資はない」に尽きるのである。