意識の持ち方を変えてビジネスセンスを磨く

原田(2008)は、判断力は人それぞれ違うかもしれないが、生まれ持った能力の違いではなく、「意識の差」に過ぎないという。例えば、同じ現場を見るにしても、意識の持ち方次第で目に映るものはまったく変わってくる。目の前の事実だけを認識しようとするのではなく、そこからさらに深いところまでを見るようにしないといけないという。そんな繰り返しによって人間の判断力は研ぎ澄まされてくる。


また、同じ現場を回って、七つのアイデアを浮かべられる人間と、何も思いつかない人間では何が違うかといえば、それだけの「商売根性」を持っているかいないかというだけだという。何かを目にするたびにそれをビジネスにつなげられないかと考える姿勢があれば、ヒントはどこにでも落ちているものなのだ。がめつさ、貪欲な姿勢がなければ、知恵は出てこないのである。


ビジネスセンスには「ひらめき」が大切であるとも原田は説く。戦略は、データやリサーチから導き出そうとするものではない。戦略的思考を育むためには、現場の感覚を重視して、ひらめきという武器を身につけなければならない。データやリサーチは、ひらめきによって得られる戦略を検証するために用いるべきなのである。