原田(2008)は以下のように自身のアルバイト経験を語っている。
私は苦学生だったため、大学時代にはありとあらゆる職種のアルバイトも経験していた。・・・いまから振り返れば、そうした一つひとつが勉強になっていたのに違いなく、実に貴重な経験ができてきたのだと実感される。
仮に大学で勉強だけしていて、その後、三十三年間エンジニアをしていたとすれば、いまマクドナルドの社長になっていたとしても何もできなかったはずである。
私のアルバイトは、生活費を稼ぐことを目的としていた。だが、たとえそうであっても、ただ単純に仕事をこなして、自分の時間が過ぎていくのと引き換えに賃金を得ることだけを考えているのと、一つひとつの仕事をしていながら何かを吸収しようとしているのとでは、得られるものがまったく変わってくるのである(原田 2008:21-22)。
また、マクドナルドにおけるアルバイトについても、以下のように語っている。
最近、ある新聞社の管理職に就いている人から聞いた話だが、新聞社の編集局では電話の取り次ぎひとつをとっても無愛想な応対しかできない人間も少なくないなかで、ものすごく丁寧な応対をしている大卒の女性が気になり、声をかけてみると、大学時代にマクドナルドでアルバイトをしていたとわかったことがあったという。
・・・マクドナルドは日本の若者を育てるエクセレントカンパニーでありたいとも考えているが、その意味においても今後のクルー戦略は重要になってくる(原田 2008:36)。