有意義な人生を送るための「改訂版DEAL」

フェリス(2011)は、ニューリッチという概念を提唱し、DEALの法則を説いている。ここでは、これを咀嚼したうえで、よりよい人生を送るための改訂版DEALの法則を示してみよう。


人間なら誰しも、よい人生を送りたいと願っている。では、どうすれば実りある人生を送ることができるのだろうか。それは一言でいえば、自分に残されている限られた時間を有意義に使うこと以外にないであろう。そこで、DEALの登場である。Dは(Definition)、Eは(Elimination)、Aは(Automation)、そしてLは(Liberation)の略である。


フェリスの説とは異なるが、D(Definition)は、自分自身を「定義」するということである。つまり、自分は何なのか。自分にとって一番大切なのは何なのかを再確認するということである。それは、仕事も家庭も含め、人生全般についてである。自分にとって限りある時間を有効活用するためには、ほんとうに大切なことだけに時間を使うべきである。そのためには、何のために自分は生きるのか、生きている間に何を成し遂げるのか、という使命感が必要である。今この瞬間にも、一刻一刻と死に近づいているわけだから、自分の生きる使命に寄与しない、無駄なことに時間を費やしている暇はない。


さすれば、E(Elimination)の意味は明らかである。自分にとって大切ではない、優先順位の低い活動を徹底的に削るということである。理想なのはやらないことである。例えば、人生の目的として、世の中の役に立ちたい、他の人を幸せにしたいのであれば、そうするために自分は何ができるのか。これが自分にとって最も大切な使命であり、そこに集中すべきなので、自分が不得意とすることについては削るか他の人に任せることである。それを得意とする他者がいるのなら、やってもらう。他者とお金を有効活用し、積極的にアウトソーシングを行って、自分はほんとうに大切なことに集中して時間を使うわけである。誰もが限られた時間しか持たないのだから、時間をお金で買うことも大切である。


そして、A(Automation)は、仕事や活動を自動化するということである。何もしなくても勝手に動いて価値をもたらしてくれる仕組みを作ることである。そうすれば劇的に時間の節約になり、大切なことに時間を使うことができる。


最後に、L(Liberation)である。無駄を削り、自動化を突き詰めれば、余計なことに自分自身が縛られることなく、自由になれる。自由になれるならなおさら、自分にとって最も大切なことに時間を割くことにしよう。