早朝起業というタイムマネジメント

松山(2004)は、朝5時から朝9時(本業の始まり)までの「黄金時間」を起業などの手段で活用する秘訣を論じている。早起きすれば、無駄時間が減る、無駄時間が自分時間になるなどの効用があるが、「やりたいことをするために早起きをする」ようにすれば、朝型の生活は簡単にできるようになるという。


このように、一度しかない人生のなかで「やりたいこと」を明確にするのが重要だが、問題なのは改めて「やりたいこととは何か」ということである。松山によれば、やりたいことの芽を見つける方法は、「ちょっと、こんなことをやってみたい」と思ったらすぐやってみること、そして「何でもいいから、人と違うことをやってみる」ことだという。人と違うことをすることが、他人とは異なる自分自身のアイデンティティにもつながり、自分しかできない大切なこと、につながるだろう。


松山は、時間を「自分時間」と「他人時間」に分類する。自分時間は「濃密な時間で」、速くて深い。他人時間は遅くて、密度も薄い。時間の遅い流れを速め、濃くするためには他人時間を自分時間に変質させることだという。そのためには、時間を計画的に使うこと、そして偏在している時間を自分時間に変えることだという。偏在している時間とは、どこにでもあるありふれた時間、使いようがなさそうなコマ切れな時間、意識しないとやり過ごしてしまうような時間、指の間からこぼれ落ちそうな小さな時間である。これらを流される時間、ニュートラルな時間、無意味な時間にしておくのはもったいないというのである。


起業の話に戻すと、好きなことをして収入を得ることだと考えれば、「好きなこと+得意なこと+ビジネスになること」を考えることによって、早朝起業が実現するだろう。それぞれのエリアの重なりを見つけることが重要なのである。