一日を48時間にする時間攻略術

吉田(2003)は、1日が48時間にするような工夫を心がけているという。睡眠時間や無駄な時間を削ったりしても1日が24時間以上にならないが、知的作業に関しては、適切な工夫さえ実践すれば、実質的な時間を2倍にも3倍にも増やすことが可能なのだという。そのためには、脳の仕組みをよく理解し、自分の脳を活かして時間を征服することが大切だと説く。時間に征服されてはいけない。


ポイントは、脳にとっての「時間の適材適所」を見極めて、巧みに時間を配分させることによって知的生産力を高めることである。例えば、例えば、午前中は思考力にとってのゴールデンタイムであるため、「自主缶詰」によって雑用などから自分を遮断し、集中して思考する作業に時間を使うのがよいという。また、眠る直前の時間は記憶に適している。眠っているときに脳の中で記憶が定着しやすいためである。


歩いている時間は、発想や創造に適しているという。なぜなら、次々と変化する景色や外の空気が脳を刺激するからである。散歩しながら思索することで、新しいアイデアが浮かびやすくなる。たくさんのアイデアを生み出し、選択候補を増やせば、最適な選択肢を選ぶことができる。


さらに、15分という塊で時間を捉えることも有効だと説く。時間を小さく区切ったほうが集中力が持続しやすいし、15分という区切りは社会との親和性も高い。15分刻みでアポを入れたり計画を練ったりするのがよいという。


そして、ある作業に取り組んでいるときに、やりたいことが次々と浮かんでくるようであれば、先送りリスト(タスクリスト)に加えて忘れてしまうのがよい。後ほど、時間の適材適所を考慮して作業を遂行していけばよいだろう。