知的生産性を高めるポイント

知的生産性の問題は、知を生み出したり発展させるすなわちクリエイティビティの問題といってもよいだろう。そういった面から知的生産性を捉えたうえで、最も重要なことは「集中して考える」「じっくりと、とことん考える」ことである。そのためにはどうすればよいだろうか。


まずは、クリエイティブになれる時間、じっくりと考えるための時間と空間の確保である。谷岡(2011)は、邪魔の入らない空間、集中できる環境が必要だと説く。そして時間は無理しても作り出すものであるから、生活にリズムを作り、どうでもいいことを仕分けしていく必要があるという。


集中して考えることができる環境を整えるうえでとりわけ重要なのは、情報を捨てる勇気と情報から遮断する時間の確保である。「谷岡は、本当に必要な情報はごく一部であり、それをいつでも取り出せるような、自分なりのシステムを構築する」ことが重要だと示唆する。情報の絶対量はどんどん増えても、世の中の情報の90%はゴミといってもよいという。


情報がどんどん入ってくる環境は確かに便利だが、そのような状況に晒されていると考えることができなくなる。したがって「考える時間」を意図的に切り出して確保しないといけない。そのためには情報を切り離すことすなわち「情報の遮断」が必要不可欠である。PCやネットがない状況にあえて身を置くなどの手段が有効であろう。


つまり、じっくりと考える時間が確保され、手元には必要な情報だけがすぐに利用できるようにされており、邪魔が入らない空間であること、かつ集中力が高まっているなどの体調がベストの状況を作り出すことが、知的生産性を最大化するうえで重要なのである。