意識を研ぎ澄ませ、潜在意識を活用する

佐倉(2009)は、人間には驚くべき能力が備わっているといい、それが「潜在意識」の力だと示唆する。佐倉による「修羅場の突破」の方法は「繰り返し、繰り返し問題を自分の潜在意識に語りかけること」だという。寝ても覚めてもそのことに意識を集中して考え続ける。意識の外=潜在意識の中には膨大な量の記憶が眠っており、あることを思い出すことで次々と記憶が連なって出てくるように構造化されているので、こういった記憶こそが、ビジネスにおける「閃き」の源泉になるのだと指摘する。


意識を集中すると、その問題が潜在意識に落ち込まれる。アンテナ感度を上げて現場を歩き回ると、さまざまな情報が感知されるようになり、ある日ある時、目の前に現れたちょっとした情報に潜在意識が刺激されて、思いもよらなかった難問解決へのヒントや斬新なアイデアが閃くというのである。アンテナ感度を目一杯上げると、意識は鋭敏に研ぎ澄まされ、普段は聞こえないような他人の会話が耳に入ってきたり、新聞や雑誌を読んでいてもちょっとした雑文の中に登場したちょっとしたキーワードなど、何か引っかかる情報が意識に直結するという。