松宮(2009)によれば、経営とはそもそも「儲かる仕組み作り」という面があり、「新しい仕事を作り出せる人=儲かる仕組みを作れる人」は、デキる社員、生き残る人材となる条件である。
松宮の「仕組み化の定義」は、知識を仕事に生かせるよう「知識をノウハウ化して習慣化する」その道筋を作り定着させること。またはそのテンプレートを作り出すことである。「ノウハウ化させた知識」をいつでもどこでも繰り返し使えるよう「習慣化」することがポイントである。
そこで松宮が提唱するのが、LDSPサイクルである。Learn[学習], Do[行動], Study[評価], Plan[計画]の略である。まずテーマとなるものを学び(知り)、それを行動で試してみる。試みを評価することによって使える知識と使えない知識を選別し、使える知識を定着させ、ノウハウ化して行動として習慣化できるよう、計画する。例えば、他人でも使えるよう、ノウハウの再現性を追求する。それが次の学習につながるというサイクルを回していくことで、進化し続ける仕組み化が実現するという。
このような考え方は、デミングのPDCAサイクルとも親和性が高いと松宮は指摘する。デミングのPDCAは、工業化社会における生産現場の生産性向上のような場面で用いられるが、これは、知的生産を仕事とするナレッジワーカーに対応させると、思考+行動こそが知識の生産ラインということになる。この生産ラインを仕組み化とカイゼンによって進化させつづけることが重要なのだという。