「媚びる人」になってはいけない

勝間(2009)は、嫌われることを恐れるあまり「媚びる人」になってはいけないとアドバイスする。媚びる人は断れない人である。断れない人は成功しない。それよりも、アサーティブ(誠実・率直・対等・自己責任を伴う自己主張)が必要だと説く。断ることで失うことよりも、得られることのほうが大きいとさえ主張する。


成功するためには、相手にとって代替のきく「コモディティ(汎用品)」ではなく「スペシャリティ」にならねばならない。そのためには、特定のユーザーに熱狂的に受け入れられ、他のユーザーに波及していくというプロセスを踏むのが自然である。つまり、自分に対するロイヤリティの高い「熱狂的なファン」を作っていく必要があるという。嫌われることを恐れるのではなく、多少は嫌われるリスクを冒してでも、熱狂的なファンを作ることを志向するのがよいと説く。


そのような「ファン作り」を可能にする要素は、以下のようなものである。

  1. 圧倒的にあこがれる個性、才能、クセがあり、代わりに何かを実現してくれる
  2. 1を実現するために努力を継続的に繰り返しており、その姿勢に強い共感が持てる
  3. マメでこちらをわかってくれている、ケアしてくれているという感覚がある
  4. 謙虚で威張っていないため、上下関係にはならない

つまり、コモディティとして扱われるような仕事は勇気をもって断り、その代わり、断ったために空いた時間を自己投資につかい、自分の持つ魅力的な能力を、徹底的に時間をかけ、努力を重ねることによって磨きつづけていくことが「ファン」を作り「スペシャリティ」になる王道だといえよう。