サバイバル時代のパーソナル・キャリア

本田(2009)は、時代の波に翻弄されることなく、どんな状況になっても生き残っていける「パーソナル・キャリア」の実現を提唱している。そのためには「サバイバビリティ(生き残る力)」を身に着ける必要があるという。そのためのさまざまなヒントを提供している。


例えば、都市と地方の両方に居を構える「二地域居住」は、マルチ思考を身に着け、視野を飛躍的に広げるのに適しているという。また、実際の上司以外に「バーチャル上司」を持つことも勧めている。分野ごとに数人、尊敬する人をバーチャル上司とし「この人だったらどうするだろうか」と考え、それを試してみる。すぐにお金に結びつかない、一見、ただの趣味や遊びに見えるものも、パーソナル・キャリアを豊かにしてくれる。本田氏はワインが好きでソムリエ協会の資格を持っているが、ワインや世界遺産の知識などは、世界中で通用するコミュニケーション力につながっている。


若いうちはコーポレート・キャリアを歩んで、30台にはパーソナル・キャリアの種まきをしていく。そして、その後、それを刈り取るつまりリターンを得ながら、コーポレート・キャリアでの収入を補ったり、マルチ・キャリアの道を歩んでいったりするのがよいという。そして究極的には、趣味が仕事となり、ライフワークとなるのである。