人材採用・逆張りの発想

通常の企業における人材採用の傾向として景気が拡大すれば採用数を増やし、景気が後退すれば採用数を減らす。これは自然なことではあるが、逆張りの発想をして、景気の後退期には採用数を抑制せず、景気拡大期にはそれほど採用数を増やさないというのも一つの手であると思われる。


それはどういうことかというと、景気後退期ほど他の企業が採用数を絞り込むので、良質な人材を獲得するチャンスが広がるからである。逆に、景気拡大期には他の企業も採用数を増やすので、良質な人材を獲得することが難しくなるとうことである。要するに、同じ質の人材であれば、景気後退期には割安になるので「買い」だし、景気拡大期には「割高」になるので買い控えるというわけである。


もちろん、景気後退期には企業業績も低下しがちであるので、採用数を減らさずに良質な人材を採りつづけることには勇気がいるだろう。しかしそれは先行投資として割安なときに買い、その人材がモノになるまでじっくりと育成するというスタンスでよいだろう。逆に、景気拡大期になると人材不足感が高まるが、そのときに、後退期に勇気を出してとっておいた人材が活きてくるわけである。だからあえて景気拡大期にあわてて割高な人材の獲得に走る必要もなくなるわけだ。


これは、比較的長期をにらんで、かつ景気や企業業績には好不調の波があることを想定したうえで、計画的に人員を獲得していくことに他ならないのではないだろうか。