川北(2005)は、時代がいくら変わっても読書に勝る自己啓発法はないという。なぜなら「人間が学んできたことはすべてどこかに書きとめられている」からである。よって、読書によって先人の知恵を学ぶことができる。一冊の本にこめられた中身というのは、人間一人の生涯に匹敵することもまれではない。読書をすることによって、わたしたちが現実に会う人間よりもはるかに学識のある人物、すごい人物、すごい体験をしてきた人物と対峙して、その人物から教えを乞うことができるのである。
読書をする原因のひとつが「好奇心」である。川北(2005)は、好奇心こそが人間にとって独創的発想や行動の原動力であり、人類の文明や文化もこれなしには成立しえなかったという。「何で自分は生きているのか、何で自分は生かされているのか、世界はどうなっているのか、あるいは所属する組織や社会に対して、何を持って役立つことができるのか」、さらには「森羅万象への興味」というように、自分自身に問いかけてみる。また、興味があるからやるというよりは、やるから興味があるともいえる。あくなき好奇心と行動、そして読書。これらによって偉大な仕事をなしえることができるだろう。