ビジネス偏差値をアップさせる法則

篠上(2009)によると、ビジネス偏差値は「人間にしかできない仕事」をしていくうえで必要不可欠である。これまで、肉体労働や頭脳労働の多くが、機会やコンピュータに置き換わってきた。これらにできない仕事こそが価値を生み出す。その1つは、問題意識を持つこと、良い質問をすること、想像力と創造力を駆使してこれらに答えることである。


ビジネス偏差値を上げるポイントとして、(1)深い教養や倫理観を身につけること、(2)自分で「問い」をつくり、その解答を見つけられるようになること、(3)高度なコミュニケーション能力を身に着けることを篠上は挙げる。


教養とは、時代の流れを大きく、しかも細部にわたってみる力だと篠上は言う。そのためには、違った分野同士を結びつけて考えるような知識と心構えが必要なのである。自分の専門分野以外のものにも、あふれるような好奇心をもつ人が教養人といえる。時代を見抜く洞察力と、総合的な教養、そして行動力があれば、知識を知恵に変えることができる。ビジネスパーソンは「鳥の目」を持って世の中の大きな流れを俯瞰し、「虫の目」を持って現場を見るクセをつけるべきだと篠上は言う。


日ごろから教養を磨いておけば、ポイントを瞬時に伝えられる比喩表現やたとえ話ができるようになると篠上は言う。比喩やたとえ話を使う「言葉力」がないと真の教養人とはいえない。また、比喩も時勢に合ったものが使えればインパクトがある。言葉力は、ビジネスを行ううえでの説得力にも直結するのである。