プロボカティブ・プレゼンテーション

プロボカティブとは挑発的なという意味で、Q&Aがたっぷりとあるようなプレゼンテーションでは、挑発的なプレゼンテーションを行なうと効果が高い場合が多い。


聴いている人が「それはちょっと違うんじゃないのか?」「間違っていないか?」と反論したくなるような話を、断定口調でしてみる。後でQ&Aでの発言の機会があると、聴衆も何かいってやろうと思って身を乗り出して話を聴くようになるかもしれない。


それで、プレゼン終了後のQ&Aセッションで、いろんな意見が観客から出るようになれば、場が盛り上がる。どんな議論にも勝つ必要はなく「確かにそうですね」と認めてあげると、逆に質問した人の自尊心がくすぐられてよい評価を得られるかもしれない。


プレゼンの最初から最後まで、正論で行ってしまうと、「おっしゃるとおりで反論の余地がない」と聴衆が思って、それで終わってしまうかもしれない。その場合は、Q&Aセッションで質問が出ず、あまり盛り上がらない。つまり、勝ちにいってはいけない。確かに聴衆より自分のほうがよく知っていることを示したい気持ちはあるが、あえて勝ちにいかない。相手に負けてみる。


ちょっとばかりスキを作るというか、突っ込みを入れたくなるような部分を持たせておくのがよいのだろう。ただし、注意しなければいけないのは、「あの人は何もわかっていないんじゃないか」と、専門性自体を疑われてはいけないということだ。議論に負けてあげることもしながら、かつ深みのあるコメントを残すなど、懐の深さも同時に示していかないといけないのである。