「ジョブズ流」プレゼン・テクニック

ガロ(2010)は、スティーブ・ジョブズのさまざまなプレゼンテーションテクニックを紹介している。それをもとに、いくつかまとめてみよう。


まず、プレゼンテーションは、ストーリーが命である。魅力的なストーリーを作ること、話の流れをつくることである。そのためには、構想を紙と鉛筆のようなアナログでまとめることである。敵役を登場させることはストーリー作りに便利である。そして、もっとも大事なことを考え、ツイッターのようなヘッドラインを作る。それをプレゼンでは何度か繰り返すことになる。トピックに対する情熱(パッション・ステートメント)を考えたり、メタファーやアナロジーを活用したり、デモや実例も活用してみる。


とにかく簡素化する。大事なこと、内容の全貌を2分で言えるくらいに。数字の使い方にも工夫する。インパクトを出す修飾として数字をドレスアップする。


そして、「びっくりするほどキレのいい」言葉を使う。シンプルで、具体的で、感情的な言葉である。


さらに、「うっそ〜!」となる瞬間を演出することである。これはプレゼンを芸術の域にまで高めることであり、記憶に残るストーリーの基本である。感動の瞬間につながる筋書きを注意深く作り、十分に盛り上げてから爆弾を落とすのである。予想を大きく外せれば外せるほどよい。十分に練習しておくことである。