成功するスピーチの結晶

神田(2009)は、聴衆を引き込み、内容を理解してもらえるプレゼンテーションやスピーチの型として、6つの要素からなるスピーチの結晶を紹介している。それは以下のようなものである。


1)オープニング:聞き手に安心感を与え、これから話す内容に関心を持ってもらうための「つかみ」の部分。イエスセットという方法は、どんな聞き手であっても「うん、うん」とうなずけるようなメッセージを発する方法である。
2)テーマ:焦点を絞り込んだ話をするために、テーマを明確に述べる。スピーチのゴール、最終到達点を明確にすることでもある。
3)プレミス:「私の意見では、○○です」と、テーマに関する主張を述べる。要するに言いたいこと、ズバリ言いたいこと、をここに持ってくる。結論から先に述べる原則に従っている。
4)バックグラウンド:プレミスのような主張にいたった背景を述べる。背景を説明することによって、より深く聞き手に理解してもらう。
5)プルーフ:意見の根拠を詳細に説明する。スピーチのメインになるところ。「3つの観点から説明します」のように、まず見通しを立てて、話していく。
6)コンクルージョン:プレミスを繰り返したりしながら、スピーチを締めくくる。


この6要素からなるスピーチの結晶には、「プレミス(趣旨)」→「プルーフ(根拠)」→「コンクルージョン(結論)」という三層のロジカルステップがあり、ロジカル思考のエッセンスも含まれているのである。