リサーチプロジェクト:フェアネス・マネジメント

経営における公平性の研究

戦略意思決定と手続き的公平性

企業のトップマネジメントは、状況に応じて的確な戦略的意思決定を行なわなければならない。そこで問題になるのが、企業全体の方向性を決めるような戦略的意思決定における公平性である。企業には複数の部門、複数の利害関係者がおり、彼らにとって、トップマネジメントが下した意思決定がフェアであるかどうかは、組織構成員の一体感や士気に影響する重要なファクターである。とりわけ、意思決定の手続きがフェアであったかは重要である。このようなトピックについて、どのような条件が、トップマネジメントの戦略的意思決定を公平に(不公平)に導くのか、不公平感を改善するためには何か、などについての理論的・実証的研究を試みる。

公平性の集合概念

公平性の研究は、欧米を中心に発展してきた。欧米の文化を反映してか、公平性の理論の多くが、個人の知覚や意思決定を基礎としている。しかし、現実のビジネスやマネジメントを取り巻く環境では、グループやチーム単位でマネジメントをとらえることが重要になりつつある。そこで、公平性概念を、個人ではなく集合レベルでとらえ、そこからさまざまな原理を理論的、実証的に導き出すことを試みる。