成功の呪縛


「成功は失敗のもと」ともとれる。


成功が続くと、それによって慢心する。慢心すると、単に過去に成功したやり方を繰り返すのみの工夫のない行動に移りがちである。それが、失敗につながっていく。


成功が続くと、次も成功しなければならないというプレッシャーや不安が生じる。プレッシャーや不安であるがゆえに、保守的な行動につながる。保守的な行動とは、これまで成功してきたやり方をそのまま続けることによる無難な道をすすもうとすることである。環境は移り変わるのであるから、それが失敗につながっていく。


成功の呪縛から逃れるためには、常にフレッシュな気持ちで、物事に全力を投じる必要がある。いったん頭をゼロクリアにすることである。もちろん、過去の成功の要因になった重要な「つよみ」を生かすことは必要であるが、それにとらわれると上記のような「成功は失敗のもと」につながっていく。


とにかく新たな気持ちでもって、その状況に最適な方法、行動は何なのかを純粋に考えて、実行していくことであろう。


さらに言えば、自分自身を常に「進化させる」という気持ちが必要だろう。そうであれば、過去の成功を繰り返すだけというのは、進化・進歩がないわけであるから選択から外れる。リスクは伴っても、何らかの新しいやり方を試しながら、改善・改良を続けていくべきであろう。


その際に、成功を続けなければいけないというプレッシャーや不安を拭い去ることである。不安があると縮こまってしまう。過去は過去、これからはこれからと割り切れば、積極的になれる。


常に「自分を進化させ、現在の環境に最適なものを追求する」という精神で試行錯誤した結果の失敗は、過去の成功にとらわれ、保守的になり、縮こまり、過去のやり方を繰り返すだけに陥ってしまった結果としての失敗よりもずっと傷があさい。後者の場合は、悪循環から抜け出すことがかなり難しい。