平野(2008)は、個人レベルにおいても、プラットフォームとアライアンスの思想を仕事にとりいれることによって、自分１人では不可能なことを他人を巻き込んで実現することが可能だということを紹介している。
プラットフォームとは、アライアンスできる場を提供することである。場を提供し、基本的にはユーザーや顧客のためのアイデアを自然発生に任せ、自分はフォローや管理に徹することだと平野はいう。実現したい自分の目的を提示し、同じ方向を向いている人を、関わり方はどうであれ、巻き込んでいく。そして自然発生的に、実現を助けてくれる人を集めていくのがアライアンスであるという。そこでは、自分自身の案を、みんながわかっていて、みんながやりたいこと、にまで浸透させてしまうのがよいという。つまり「自分の思考」を「みんなのもの」に転換することによって、構想段階から人を巻き込んでいくわけである。
また、実現したい内容に関して自分に知識や能力がなければ、知識や能力のある人たちや会社を巻き込んで、一緒に考えてもらい、自分自身はそれを「プロデューサー」として組み立てていくことが実現への近道になると平野はいう。
