面白くワクワクするコンセプトを通じて周りを巻き込む

木谷(2012)は、「自分が実現したいことの包括的なイメージ」としての「コンセプト」の重要性を説く。「実現した時のことを考えるとワクワクする。いろいろな困難があるかもしれないが何とか頑張ってみよう」という気持ちにさせる将来のあるべき姿がコンセプトなのだという。


コンセプトは「面白いがかなり難しい」ことへのチャレンジでもあり、良いコンセプトは面白さと説得力を併せ持つと木谷はいう。目指すものが具体的にイメージでき、チャレンジしがいのあるハードルが人々のエネルギーを呼び覚ます。よって、良いコンセプトは人を束ねるともいう。


ただ、どんなコンセプトも1人では実現できない。よって仲間が必要であるが、木谷は、以下のようなステップで仲間を増やすことができるとする。第1ステップは「一行コンセプト」である。一発でその根幹が伝わり、具体的にイメージがわき、余計な説明がいらないようなものである。第2ステップは「物語化」である。魅力的なストーリーとして語り、協力をよびかけるわけである。第3ステップは「資料作り」である。そして第4ステップは「自分を伝える」ことである。これは、そのコンセプトを誰がやるのかを、やり抜く意志、覚悟、能力を示しながらはっきりと伝えることである。


このようにして自分がもっているコンセプトのイメージをうまく人に伝えることができれば、コンセプトがどんどん「みんなのもの」になり、コミットメントの輪が雪だるま式に広がっていくと木谷はいう。コンセプトの面白さ、それを達成したときの素晴らしさを共有できる仲間が多いほど、しんどい時をやり過ごすことができるのだという。