SUCCESsの法則

ハース=ハース(2008)は、「記憶に焼き付く」アイデアの特徴を、それぞれの6つの要素の頭文字をとってSUCCESsと表現している。それは、Simple, unexpected, concrete, credentialed and emotional storyである。単純明快で、意外性があり、具体的で、信頼性があり、感情に訴える、そして物語性があるアイデアということである。


単純明快なアイデアのポイントは、核となる部分(問題の核心を突くアイデア)を、簡潔にわかりやすく表現できているかということである。意外性とは、予想を裏切り、驚きを生むことによって関心をつかみ、好奇心を刺激するテクニックである。例えば、疑問を呈して曖昧なままにしておく、謎かけをするなど、受け手が埋めたいと思う隙間を作る。具体的であるほど、理解しやすいし頭に残りやすい。信頼性が高ければ、自分のアイデアを信じてもらえる。感情に訴えれば共感を呼ぶことができ、感情の伴うアイデアは記憶に焼き付きやすい。そして、物語性は、頭のなかでアイデアをシミュレートしやすくし、かつ勇気や励ましを与える。よって、これら6つの要素を満たすアイデアは、人々の記憶に残りやすいのである。