シーガル(2012)は、世界一のテクノロジー企業となったアップル躍進の秘密は「シンプル」への熱狂的哲学であるという。そして、この「シンプル」という哲学を、核となる10つの要素に落とし込んで紹介している。シーガルは、以下のスティーブ・ジョブの言葉を紹介している。
シンプルであることは複雑であることよりもむずかしい。物事をシンプルにするためには、懸命に努力して思考を明瞭にしなければならないからだ。だが、それだけの価値はある。なぜなら、ひとたびそこに到達すれば、山をも動かせるからだ。(スティーブ・ジョブズ)
シーガルが紹介する「シンプルの杖」は次のものである。
- 容赦なく伝える:残酷なまでに正直になる。貴重な時間とエネルギーをムダにしないために、正直な意思疎通を心がける
- 少人数で取り組む:有能な少人数のグループはよりよい結果と高い効率性、士気の向上をもたらす
- ミニマルに徹する:目標をシンプルにする。提案は絞れば絞るほど魅力的になる
- 動かし続ける:プロジェクトは少し時間が足りないのが理想的なスケジュールである
- イメージを利用する:相手を刺激するイメージの力を忘れない。アイデアの本質を表しているコンセプトのイメージを見つける。シンプルで力強いものがいい
- フレーズを決める:人や会社をスマートに見せる最良の方法は、完璧な明快さでアイデアをシンプルに表現すること
- カジュアルに話し合う:創造的ですばらしいアイデアの多くは、カジュアルな打ち合わせから生まれる
- 人間を中心にする:ビジネスのあらゆるターゲットは人間であり、人間はシンプルなものに反応する
- 不可能を疑う:他人は最初に否定的な反応をする。反対されたからといって妥協せず、自分のアイデアを押し通す。自分の独立性と客観性に誇りを持つ
- 戦いを挑む:非常時には非常手段が必要とされる。自分のアイデアに対する情熱がもっとも強力な武器になる