正しいとはどういうことか

自分が正しいと思っていることを他人に説得して納得してもらうにはどうすればよいだろうか。ひとは論理的であろうとするが、論理的に話しているつもりでも他人に納得してもらえないことはある。瀬山(2009)は、他人の反論を封じ込める強力な手段として、数学的三段論法を挙げる。もし、この論理構造の骨格が優れているとしたら、それだけをとりだして形式的にその構造を研究すれば、論理を自由に操るための基礎となりえるかもしれないという。


そこで、論理構造を研究するために、論理そのものを記号化して骨格をあらわにし、数理論理学が発展することとなった。そして、数理論理学が、記号化の限界を引き出す思いもかけない副産物を生んだのだと瀬山は説明する。ゲーゲルの不完全性定理につながるのである。