反常識思考

午堂(2007)は、これからの時代「たった一人、世間に放り出されても稼ぐことができる力」が重要だとする。お金の面に限って言えば、「安定している」というのは、大企業に勤めているサラリーマンのような状態をさすのではなく「たった一人で放り出されても、ゼロから3年で1億円稼ぐ人になっていること」だという。そのさいに鍵となるのが、「反常識思考」である。他人と同じこと、つまり「常識的なこと」をやっているだけでは、成功はおぼつかない。


例えば、「格差社会」というが、午堂に言わせればそれは「努力した人が報われるようになってきたこと」であり、同様に、飽和社会というが、それは、製品が売れなくても、心理的な豊かさを提供できれば成功するチャンスがあるということである。価値観が多様化しているというおkとは、ニッチなマーケットでも必ず顧客がいるので、資本力の大小とは関係なくビジネスが成り立つということである。反常識的に考えると、世の中が閉塞状態であるかのように見えても実はチャンスがごろごろと転がっていることがわかるのである。努力と工夫をして自分自身をブランド化できる個人の成功を後押しする世の中になってきているということである。


反常識思考を身につけるには、想像力を豊かにすることである。想像力が豊かになれば、状況を先読みできるようになり、段取り上手になれる。何事に対しても先手を打つことで有利に仕事ができるようになる。また、顧客は他人の立場から物事を見ることができ、共感力を身につけることもできる。


午堂登紀雄 2007「30代で差をつける「人生戦略」ノート―最短・最速で結果を出す「頭と時間」の使い方」三笠書房