新しいことを素早く学ぶ勉強法

藤井(2009)は、まったく門外漢の業界に、いきなり社長として放り込まれた経験などから、新事業の要諦を短時間で把握するための勉強法を紹介している。藤井によれば、そのコツは「コンテキスト」「ドライバー」「トライアンギュレート」「トレードオフ」というフレームワークを使うことである。

  • 「コンテキスト」とは、物事の背景であり、時代背景やその潮流を理解することである。
  • 「ドライバー」とは、牽引車のことであり、物事の流れを根本的に支えたり、変えている力である。
  • 「トライアンギュレート」とは、三角測量の意味で、物事に関する情報を、賛成(肯定)、反対(否定)、中立の3つの立場から収集し、立体的に捉えることである。
  • トレードオフ」を内包しているものが、困難な決断につながっているので、トレードオフになっているポイントを早く分析することである。


その他、藤井(2009)は、グローバルマインドの醸成について、いくつかの示唆に富む指摘をしている。

  • 日本人は「非弱さ」を「骨太」に変えていくために、自分の人生の舵取りは自分でするという「気概、エネルギー」、リスクを厭わず、自分の限界に挑戦する「闘争心」、自分の個別解を発見する「冒険心」が必要。
  • 通常でないやり方(自分で考えた戦略など)をしようとすると、周囲の人、特に昔ながらの方法で成功している人は「世間知らずの青臭いやり方である」という立場をとる。
  • 外部から社長を招聘するのは、何か事業に不連続点が存在するとき。当事者になったならば、その本質を理解することが重要。