佐藤可士和流超整理術

佐藤(2007)は、「整理」という切り口から仕事の仕方を語っている。相手の思いを整理したり、問題の本質を捉えるうえで、整理の思想は欠かせない。整理術を身につけることによって仕事も生活も劇的に変わる。佐藤は自分の仕事を、(1)状況把握、(2)視点導入、(3)課題設定、という順序で進めている。


佐藤(2007)によれば、状況把握は、クライアントに対する医者の問診のようなものであるという。ここでは、微妙なニュアンスを含め五感を騒動員することにより状況を整理し、問題点や重要な点を浮かび上がらせていく。次に、問題の本質を突き止めるために、視点を導入する。重要なのは自分なりの視点を導入することで、混沌、バラバラな情報をある視点に沿ってつなげていくことで本質に迫っていく。この「視点導入」が難関である。視点の持ち込み方によって、整理の方向性は全くといっていいほど変わってくるからだ。問題の本質、課題が見つかれば、問題の半分は解決する。

視点導入でなかなか問題の本質が見出せず、行き詰ったさいにブレークスルーする糸口となるのは、(1)視点を引いて客観視してみる、(2)自分の思い込みをまず捨てる、(3)視点を転換し、多面的に見てみる、ことが重要である。佐藤(2007)は、この部分を自分の仕事の経験を元にわかりやすく説明している。


また、佐藤の整理術には(1)空間の整理、(2)情報の整理術、(3)思考の整理術、とがあるが、空間の整理術については以下の指針を紹介している。

  • すっきりした空間をつくることが仕事の効率をあげ、リスクを回避する。
  • 勇気をもって捨てるモノを決めるためには、厳しく自問自答してプライオリティをつける(大切なものを見極める)ことが必要不可欠。下位のものは時間を区切って捨てる。
  • 定期的な見直し(アップデート)をする。
  • モノは常に定位置に置き、使ったらすぐに戻す。
  • わかりやすく分類するために、フレームを決めてフォーマットを統一する。

さらに、3つの整理術のポイントは以下のようになる。

  1. 空間の整理はプライオリティをつけることが大切
  2. プライオリティをつけるためには視点の導入が必要不可欠
  3. 視点を導入するためには、まず思考の情報化を