ライフハックス!

世の中は技術の進歩でどんどん便利になってきている。しかし、生活はどんどん忙しく、過酷になりつつある。佐々木(2006)は、現代の日本人は依然として「人間らしい生活」を望んでいると指摘する。人間らしい生活とは、「時間にあくせくすることなしに、自分の時間をそれなりに確保し、休日はリラックスして過ごす」ということだ。そのためのワザとしてライフハックスを提案している。


ライフハックスの1つが、「認知リソース(認知資源)を解放する」ことである。PCのCPUを思い浮かべればわかるように、いろんなタスクを同時にやったり覚えたりして認知資源に負荷をかけると作業能率も落ちるしストレスも増加してしまう。したがって、まずはやるべきことを削減して負荷を減らし、さらに記憶するべきものを外部記憶に移して(備忘録など)認知資源を短期記憶から解放することである。認知資源を解放することは、余計なことはすべて忘れてしまって頭のなかをすっきりさせることであり、頭がすっきりすれば本当に必要なことに集中することが可能になる。


そういう意味では、タスクリストを活用することは、やるべきことを整理することというよりも、やらなくてもよいことを明確にし(タスクリストに書いてあるものだけやればよい、あとはやらなくてよい)、余計なことを忘れてすっきりする(認知資源を解放する)ことが目的であるともいえる。