「地頭力」を鍛えて入社試験に挑む

コンサルティングなどの人気業界の入社面接でよく出される問題が、以下のような「地頭力」を測るものである。

  • シカゴにピアノ調律師は何人いるか?
  • 日本全国に電柱は何本あるか?
  • 世界中で1日に食べられるピザは何枚か?

これは、知識を問うているのではなく、考え方・思考力(算出ロジック)を試しているのである。なぜなら、「地頭力」と呼ばれるこういった思考力が、入社後の成功を占うからである。仕事がデキル人間(=地頭力の高い人間)は、直面したビジネス上の課題について、限られた情報しかなくても(情報が少ない場合が圧倒的に多い)、すばやく問題解決への「あたりをつけ」、段取りよく仕事をすすめ、時間内に問題を解決できる。まずもって、問題の核心にすばやく接近でき、そこに向かって段取りよく仕事をする能力を持っているのである。


入社試験で出てくるこの手の問題を「フェルミ推定」と呼ぶ。フェルミ推定とは、つかみどころのない物理量を、わかっている情報のみから短時間で概算することであり、日常生活やビジネスにおける問題解決の縮図でもある。よって、フェルミ推定を練習するによって地頭力を鍛えることが可能である。


フェルミ推定で鍛えられる地頭力は、(1)「結論から考える」仮説思考力、(2)「全体から考える」フレームワーク力、(3)「単純に考える」抽象化思考力である。